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2016.03.03

樋口、福本の不動産閑話④

福本 「この前は、個人としては途方もない金額の不動産投資を金融機関に押し付けられて酷い破綻を招いてしまった方の話でしたが、バブル崩壊後は私の知る限りでも友人や親せきなど色々な人が煽りを喰って個人破産やそれに類したことになってしまったのですが、樋口さんもそんな人を大勢知っているでしょう?」

樋口 「ワンルームマンションなんかの小口投資を金融機関に勧められて購入した人なんか私の周りにも沢山いましたね。」

福本 「ワンルームマンションと言っても23区内だと20㎡未満のものが3,000万円とかすごい値段でしたね。」

樋口 「しかも、金融機関の金利は当時6%~8%という途方もないものだったからね。」

福本 「ワンルームマンションを投資用に購入して、月々の支払が25万円であがりの賃料が管理費、修繕積立金、個都税を差し引くと手取りは5万円位なんていう物件もありましたからね。

樋口 「誰しもそんなものを長期間にわたって所有しているつもりは毛頭なかったんだけどね。」

福本 「逆に、2,000万円で購入したマンションが10日後に3,000万円で売ってくれという話になったとかもありましたからね。」

樋口 「金融機関の融資担当者も、貸付ノルマが達成できなければ職場で無能力者扱いされるみたいな話をしてたね。」

福本 「住宅購入も同じ風潮でしたよね。」

樋口 「私は八王子市周辺で当時建売分譲を中心にやっていたんだけど、バブル期後半には八王子には買える物件がなくなってきて山梨県まで検討したりしたからね。」

福本 「八ヶ岳とか那須の原野みたいな物件や茨城県の大洋村(現鉾田市)なんかも立派な商品でしたから。」

樋口 「親がそのような土地を購入していて、子供さん達はそんな物件があるということを全く分からないでいて、親が亡くなったずっと後に初めて知ったという実話も知ってますけど。」

福本 「固定資産税が0円だと納税通知も来ませんからね。」

樋口 「でもそういう人は幸運で、それなりの金銭の損失は出たのでしょうが自分の自宅や生活の糧となる不動産までなくしてしまった人は悲惨です。」

福本 「私の知り合いで、年齢は一つ先輩になる方が、バブル期に収入がかなりあったので金融機関に勧められて全てローンを組んで都内にワンルームマンションを2戸、それぞれ約3,000万円で購入し、その他に軽井沢に別荘地をやはり3,000万円で購入したのですが、ローンが払えなくなり私に売却を依頼されました。売却できた金額はワンルームマンションが約1,000万円と750万円で別荘地は暫く値段がつきませんでした。3物件ともローンは元金が減るどころか遅延損害金で借入当初より膨らんでいたのですが、金融機関は快く『損切り』に応じてくれましたね。」

樋口 「物件の処理は出来ても債権は残りますからね。」

福本 「自己破産した人も多いですね。」

樋口 「実際は自己破産しないかぎり金融機関から暫く請求の書面は届くけど、電話等で催促されることはまずなくなるからね。」

福本 「被担保物件が無くなって債権だけ残った状態を『ポンカス債権』と呼ぶけど、そんなものがあまりにも多くなって『サービサー』と呼ばれる組織が徐々にできてきましたよね。」

樋口 「外資系の債権買取会社はケイマン諸島などのとんでもない住所に拠点があって、最初の頃は物件の謄本を見てびっくりしたよね。」

福本 「色々調べるとちゃんと国内に窓口があって、担当者は外国人かと思って会ってみると日本人で『この間までは○○銀行にいました。』なんて言われて拍子抜けしたりもありましたね。」

樋口 「債権の『バルク買い』なんて言葉もその頃知ったね。」

福本 「とにかく、日本の金融機関があれだけの不良債権を処理したことは史上初めてのことだったことは間違いないわけで、トップから末端の担当者まで試行錯誤だったと思います。」

樋口 「あの頃私達に今の知識と経験があったらとんでもない利益が挙がっていたでしょう。」

福本 「こちらも訳が分からずに試行錯誤を繰り返しながらやっていて、それでもそこそこ食べていけたわけですからね。」

 

2016.03.01 不動産コンサルブログ

成功事例ー必要なだけ売却②

この前は、相続税の支払いや身内の方への遺産の分割のために相続財産の一部をうまく売却されたユーザー様のお手伝いをさせていただいたお話でしたが、その際広い一連の土地を細かく分割できるようにした経緯を簡単に記載しました。

それによって、不動産市況が悪い時に最低限の資産を売却することで目的を達成することができたということですが、この話には更にユーザー様の利益に結びつく要因がありました。

土地の商品化を行ったメリット

ユーザー様が5,000㎡もの土地(ここでは最適用途が住宅用地である土地という想定でお話します。)を売却する場合、売却の相手はハウスメーカーやマンション業者となることが普通です。

上記のような業者を「ディべロッパー」と呼びます。

ディべロッパーは土地を購入(仕入)するにあたり、当然その土地に関して定められた法律や条令による規制について調査します。

一例を挙げると、用途地域(どのような種類の建物が、どれくらの規模で建築できるかということに関する制限等を定めています。)、建蔽率(土地に建物を建築する場合の土地の面積に対し可能な建築面積の割合を定めています。)、容積率(土地に建物を建築する場合の土地の面積に対し可能な床面積の割合を定めています。)、建物の高さの制限、日影に関する制限(隣地の日照を確保するための制限)など数多くの決まりがその地域毎に決められています。

また、電気、ガス、上下水道などの「ライフライン」と呼ばれるものについても、物件ごとに条件が異なりますので調査やプランの作成には多くの手間と日数を要します。

それらの調査・検討の上、購入価格を始めとする売買の条件について売主様との交渉を行い、話が纏まってようやく物件の購入ができるわけです。

さらに、購入後、所定のプランを具現化するための手続きである「開発行為」を行政に申請し、要件が整ってから定められた内容の工事(土木工事)に着工するわけです。

また、建物を土地上に建築するためには行政に「建築確認申請」を行って「建築確認」を受けなければなりません。

建築確認を申請するためには、「開発行為」が完了している必要があります。

このように、多くの手間と時間をかけて土地の商品化を行うわけですが、本件のようにユーザー様が既に土地の商品化に要する手続きを概ね完了している案件については買主側が取引条件を取りまとめる時間が極端に短くて済むわけです。

前述のとおりこの土地の売買が行われた時期はリーマンショック後の不動産市況が大変悪い時期でした。

不動産市況が悪いということはどういうことかと言うと、全ての不動産の動きが悪く極端な値下がりを起こしている状況を想像されると思いますが、必ずしもそうではありませんでした。

都心部の地上げ案件やビル用地、高級マンション用地、高級住宅地、等は結構な打撃を受けて当初目論んでいた出口の半分以下というものも多くあり、上場企業が破綻したりしましたが、郊外の比較的総額が低い住宅地については、極端に値下がりしたり、全く案件が動かなくなるということは有りませんでした。

なぜこのような現象になったかと言いますと、リーマンショック前の「ミニバブル」と言われていた時期には金融機関から多額の資金が不動産投資に流入しており、私も後で調べて分かったのですが、不動産に対する金融機関の融資の総額はバブル期を上回っていたということで、不動産業者間で物件のすさまじい争奪戦を行い自ら価格を吊り上げてしまった結果、エンドユーザーという出口を一気に失った物件が雪崩を打ったように値崩れしたということなのです。

しかし、バブル崩壊後のように実需が極端に崩れたわけではなく、中間所得層の個人住宅に対する需要は極端に悪化していたわけではありませんでした。

リーマンショックによって本当に打撃を受けたのは、不動産業界に限っていえば過激な投資を行った不動産業者と一部の投資家だったと言っても過言ではないと思います。

以上のような状況下において、買い手側であるディべロッパーがどのような傾向になるかというと、まず不動産市況の低迷がいつまで続くかという警戒感を抱きながらの仕入になるということです。

現在の状況が底をついた状態なのか、あるいは更に深い底に陥っていくのかということは仕入の判断に大きく影響することは当然の話です。

本件不動産の売却を行った頃は丁度そのような時期で、不動産業界に携わる者全てがことあるごとにそのような話をしていました。

仕入には大きなリスクが伴う(これ以上不動産が値崩れした場合)状況ではあるが、周りが様子見をしている状況なので反面仕入のチャンスでもあるわけです。

このような場合、仕入において最も大事なポイントは多少仕入価格が割高でも手間と時間がかからない案件(言い換えれば事業に着手してから最終的に販売を完了できるまでの期間が短くて済む案件)を仕入れるということです。(土地の加工を要せずすぐに建物の建築に着手できるような土地がベスト。)

本件のユーザー様の場合、前回のお話に出てきた図面をご覧いただけばお分かりになる思いますが、5,000㎡の土地を分割してすぐに建物の建築ができるような状態に加工されました。

従ってディべロッパーとしては何ら時間と費用を要せず購入後すぐにプロジェクトに着手できるという大きなメリットがあるわけです。

このように買い手側の事情と一致したことも大きな利益をもたらした要因であったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016.02.26

樋口、福本の不動産閑話③

福本 「この話を金融機関の関係者が目にしたら、すごく怒られるかもしれないけど金融機関の勧めで不動産を購入したり、建物を建てたりした一般ユーザーで結果的に全財産を無くすほど酷い目にあった人の案件を取り扱ったことは数えきれないくらいありますよね。」

樋口 「二人でそんな人の案件を手掛けたことも度々あったね。」

福本 「10年以上前の話で、もう時効だと思うから話せるんですが、ある銀行ーその銀行は統合合併されて今はもう名前が残ってないのですがーにバブルの後始末みたいな物件を数十億も押し付けられて、挙句の果ては全部で200億円ほどあった資産(不動産)を全て失った人がいるのですが、その方はなんと銀行に債権者破産の手続きを申し立てられたものだから任意売却もできませんでしたからね。」

樋口 「その話は何度か聞いたことがありますね。」

福本 「ご本人は銀行に色々と抗議したらしいのですが、全く取り合ってもらえず最後は自殺してしまい、自宅を含め1坪の土地も残らなかったという酷い話です。」

樋口 「バブル期はそんな話はいくらでもあったね。」

福本 「この話で一番酷いと思ったのは、銀行が貸し込んでいた地上げ屋が土地の地上げを完了できずに破綻してしまったらしいのですが、所謂『瑕疵物件』であるその土地を無理やりその方に押し付けたそうです。」

樋口 「たしかその銀行の幹部が来て『数年後に地上げが完了したらその土地に銀行の支店を出して高額の賃料が入るようにするから買っておいてください。』と言われたという話でしょう?」

福本 「そうです。奥さんの話では銀行の『副頭取』と名乗る人を含めて6人くらいで説得されて、30億円ほど融資を受けてその土地を購入することになったそうです。また、その他にも同様の不動産を多数購入させられて負債の総額は60億円以上に膨らんだようです。」

樋口 「30億円で買わされた土地は結果的には二束三文になったらしいね。」

福本 「結局、破産手続きによって競売されたのですが競売の価格は2億数千万円でしかも入札はありませんでした。」

樋口 「10分の1にもならなかったというわけだね。」

福本 「またその後5~6年してようやくまともな物件になり、現在では立派な建物が建っていますがそれは元の所有者が自殺してしまったはるか後の話です。」

樋口 「他の物件も似たり寄ったりの結果ですね。」

福本 「その方が元来所有されていた不動産はどれも素晴らしい物件だったのですが、全て上記のような物件の共同担保に取られていたので、破産手続きによって処分されてしまいました。前述のとおり任意売却もできませんでした。」

樋口 「これは極端に酷い話ですね。」

 

 

2016.02.25 不動産コンサルブログ

成功事例ー必要なだけ売却ー①

数年前の話です。

世の中はリーマンショック後で不動産市況は最悪の状態でした。

そんな時、ある資産家のユーザー様から相談を受けました。

その内容は次のようなものでした。

1、親が亡くなり、相続した土地が約5,000㎡ある。

2、相続税の支払いと兄弟に幾分か遺産を分けることになっているが、手持ちの現金だけでは不足なので上記の土地を売却してこれに充てたい。

3、JAに相談したら、入札によって全部を売却することを勧められた。

そこで、私達はまず、JAが指定する宅建業者に入札の予想価格を問い合わせました。

冒頭に記載したとおり、世の中はリーマンショック後で不動産市況は最悪と言ってよい状態です。

予想価格は驚くほど低いものでした。

当然このような状況下において売却することは得策ではありません。

どうしても売る必要があるとしても必要最低限にしたいところです。

そこで、私達はその方の確定申告等を行っている会計事務所の担当の先生に相続税がいくら必要か、またその他の税金等の支払分としてどれくらい用意する必要があるかという問い合わせを行いました。

また、御兄弟に遺産を分ける場合、不動産を分割するのかあるいは現金で渡すのか御兄弟の希望を確認していただきました。

その結果、御兄弟にはそれぞれ現金で分けるということで話が纏まりました。

本件土地は最適用途としては住宅用地で、住宅用地としての付加価値を最大限にするためには、開発工事を経て当該行政機関が定める最小の区画に分割することが必要であると判断しました。

また、そのような加工(プロジェクト)を行うことにより、ユーザー様が今回必要とする現金を捻出するには相続財産(土地)の三分の一ほどを売却すれば十分足りると判断しました。

そこで、私達はこの土地を分割する計画をご提案しました。

上記のプロジェクトを行うためには土地家屋調査士による調査並びに助言が必須となります。

私達はこの点十分な経験と知識を有する土地家屋調査士の先生と協議しました。

協議の結果、本件土地を下記の図面のように分割することにしました。

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次に開発行為に基づいて施工ができる優秀な土木工事業者を手配しなければなりません。

以上このプロジェクトを成功させるために、我々宅建業者、会計事務所(税理士)、土地家屋調査士、土木工事業者の4社でチームを組みました。

開発行為を行うには時間と費用がかかります。

相続税の支払いには期限がありますので、時間との闘いという壁もありましたが、このユーザー様は大変倹約家で、相続財産である本件土地以外にも預金等の資産をお持ちでしたので、プロジェクトを円滑に推進することができました。

このように、本件については皆さんの努力のおかげで物事がスムーズに進み、本件土地を最も効率よく分割できる形態にすることができたため(最大限29区画に分割できるようになりました。)、このユーザー様は予定より少ない上記図面の1~8の区画部分の土地を売却することで必要な資金を全て調達することができました。

本件については不動産市況が悪い時期に必要最小限の土地を売却することで必要な資金を調達することが可能となったため、開発行為に要した費用等を差し引いても、少なくとも億単位の経済効果が生じたことは間違いありません。

売却しなかった土地はその後、このユーザー様が別の収益資産を購入する際の頭金に充当したり、担保にしたり様々な利用を行い、更なる経済効果を挙げながら現在に至っています。

 

 

2016.02.23

樋口、福本の不動産閑話②

福本 「この前は競売物件の話だったけど、民事執行法の改正で競売物件の落札者にとって占有者の立ち退きが格段に容易になったのが確か平成16年で、私が競売物件ばかり取り扱っていたのはそのへん迄なんです。」

樋口 「私は平成13年頃に始めて、今でもたまにやることがあるからね。」

福本 「勿論、私も今でも競売物件を取り扱うことはありますけど、以前みたいに自分で裁判所に出向いて資料の調査から

やって、債務者のところへも自分で行って任意売却までやるということは平成16年くらいまでだったですね。」

樋口 「その頃から債権者(主として銀行などの金融機関)が強気になりだして、いわゆる損切り(債権者が実際に債務者に対して有する債権の総額よりも低い金額で担保権の抹消に応じること。担保権行使の目的不動産の現実的な評価額が債権額より著しく低い場合など債権の全額回収が困難な場合などはこのような処理を行うことが多々ありました。)には中々応じなくなったからね。」

福本 「せっかく債務者と話ができて、専任媒介をもらっても債権者と話がつかず案件が成立しなくて悔しい思いをしたこともありましたね。」

樋口 「債権者にとっても得になるような案を持ち込んでも全く取り合おうとしない金融機関の担当者も多かった。」

福本 「任意売却が成立しなくて入札となり、ふたを開けてみると、債権者にとっての結果は私たちが提案した条件の方が全然良かったことも何度もありましたよね。」

樋口 「メインの債権者は了解しているのに、無剰余(落札されても配当がないこと)が確定している債権者が了解しなくてできなかった案件もあったね。」

福本 「参加差し押さえを付けている市町村で、全額納付しなければ絶対に解除しないというところもありましたね。」

樋口 「何のために費用と手間をかけて参加差し押さえをするのか意味が分からないよね。」

福本 「税金の二重の無駄遣いですよね。」

樋口 「税金の徴収という意味では現実的対応をしてほしいと思います。」

福本 「ところで、債権者の損切りの基準ができ始めたのはいつ頃だったですかね?」

樋口 「私が始めた平成13年頃は金融機関も不良債権処理については試行錯誤の段階だったのか、基準はまちまちで同じ金融機関でも担当者によって違っていたりしましたね。」

福本 「平成7~8年ころは今考えると信じられない話ですが、まず8~9割の債権者は損切り、しかも大幅な損切りに応じましたね。特に特別売却(一度入札を行っても入札者が現れなかった案件。)についてはとんでもない条件で応じてもらったことがあります。」

樋口 「平成16年の民事執行法の改正までは最低入札価格というものがあって、債権者によってはその金額の120%だとか130%とかいう基準が徐々にでき始めたと記憶しているけど。」

福本 「平成13年にある大手都市銀行系の保証会社であるA社に損切りをお願いしたんだけど、その時担当者から競売の最低入札価格の120%以上が手取り金額になれば応じると言われたのですが、それが具体的に基準を提示された初めての例だったと思います。その後数年間、A社には度々同様の基準でお願いして悉く応じてもらいましたが、そういう基準があるとすごくやりやすかったですね。」

樋口 「A社のグループは最も早く不良債権処理を完了させたと言われているね。」

福本 「平成7年頃は勿論、平成15年頃まではバブルの残骸みたいな物件がまだまだゴロゴロ有りましたからね。」

樋口 「何度競売しても落札されない物件もあったね。」

福本 「競売物件に限らず『有名物件』というものがあるけど、そんな物件を商品化したこともありましたからね。」

樋口 「任意売却が成立して金融機関の担当者にすごく感謝されたことも何度かあった。」

福本 「先日、ある金融機関の支店長さんと面談した際に『うちの銀行もやっと国からの借入金を全部返済し終わりました。』という話をされていましたが、バブル期の負の遺産を処理するのに20年以上かかったということで、その間リーマンショックなんかもあって、せっかく進んだ不良債権処理がまたまた増えたりとか、金融機関も本当に大変だったと思います。」

樋口 「金融機関がその間処理した不良債権の総額はとんでもない数字で、消えてなくなったものは計り知れないよね。」

福本 「まさにそのとおりで、金融機関の犠牲みたいになった人もたくさんいましたね。」

樋口 「あまりにも多くてキリがないよね。」

福本 「今度機会があれば、その点について話をしてみましょう。」

 

 

 

2016.02.22

成功事例①

以前、この業界では大先輩にあたる社長さんから

「君、不動産取引で売主、買主が両方儲かるということはまず有り得ないと思わなければいけないよ。売った方も買った方も儲かるという事態が続けば世の中またバブルになるだろう?」

と言われたことがあります。

その社長さんは

「売った方は高く買ってもらうから儲かるのだし、買った方は安く買えたから儲かるわけで、相手が損をした分が自分の儲けと思った方がいいよ。」

とおっしゃっていました。

この話は業者間の売買ではまさしく当てはまるわけで、私の経験からしても不動産価格が右肩上がりだった時代を除いては、売買当事者のどちらかが利益が出るということはどちらかが当てが外れた結果であることが多かったと言えます。

「転売」ということを視野にいれた売買の場合は上記のとおりなのですが、私達がエンドユーザーのお客様に商品(例えば戸建住宅やマンション等)をご購入していただく場合はこの話はまず当てはまりません。

例えば戸建住宅を購入されたユーザー様がその物件を短期間で転売されると仮定すると、現在の情勢では当然利益は出ません。(バブル期やリーマンショック前の一時期は例外もありましたが)

しかし、ユーザー様がこれらの物件を購入される目的は、基本的に転売益を得ることではないわけで、満足ができる居住空間や生活環境を得ることが主たる目的ですから、転売益の有無は重要視されなくても売買は成立するわけです。

(勿論将来の資産形成という意味では物件そのものの価値も重要になりますが。)

従って、戸建て住宅やマンションなどの居住用資産をユーザー様にご案内する際は物件の転売価値という面について重きをおくことは少なく、アクセスや建物の構造、設備、管理方法などをご説明することに重点が置かれます。

居住用資産については少なくともユーザー様も基本的に購入物件を近い将来転売するということは想定していないでしょうから、私達がこのような対応を行うことはある意味当然であると思いますが、収益用資産の購入や建築の際は話が全く異なると思います。

収益用資産の場合は目的がその方の資産全体の内容を良くする(資産内容を質的もしくは量的に増加させる)ということですから、投資した結果資産が減ってしまうような結果を招くことはとんでもない話です。

しかし、実際の例では必ずしも良い結果に結びついていないことが多く、むしろ長期的にみて成功した例は大変少ない

と思います。

いずれにしても、私達がユーザー様から資産運用や相続対策を目的とした不動産売買、建物建築等のご相談を受けた場合は、その方の資産全体の内容を良くすることが最も大事であることを肝に銘じて取り組まなければならないことは言うまでもありません。

また、その際は私達宅建業者、建築業者の力のみならず他の専門家の知識が必要となることも多々あります。

私がいつも言っている「最適なチーム」を編成することが必要になるわけです。

前置きが長くなりましたが、今回からは私達が手掛けた案件でそのような観点から見て成功した例についてお話したいと思います。

 

 

 

 

2016.02.20

樋口、福本の不動産閑話①

今まで夢中で仕事をしてきましが、最近ようやく若い社員達に色々任せられるようになり、少しは会社事務所にいる時間が長くなりました。

弊社の相談役である樋口とは長年一緒に案件を手掛けてきた仲間であり、若い社員達を育てるという意味においては二人とも同じやりがいを感じていると思います。

そんな私達ですが、現在は同じ執務室で向かい合わせで仕事をしています。

二人とも競売物件などいわゆる「ややこしい」物件を多く取り扱ってきましたので普通の宅建業者では考えられないような体験談もたくさんあります。

ふと時間が空いた時など、過去に手掛けた物件の話や、「あんな人もいたよね。」みたいな話に花が咲くこともあります。

「事実は小説より奇なり。」と言いますが、本当にそのとおりで私達は今思うと信じられないような話を実際に経験してきました。

そんな話を聞いていただきたいと思います。

福本 「樋口さんと初めて会って案件を手掛けたのは平成15年頃だったと思うんですが?」

樋口 「そうだね、私がある競売物件を紹介して任意売却したのが最初だったかな。」

福本 「樋口さんはその頃、A社にいて競売物件を任意売却する仕事を中心にやっていて、樋口さんのことはそれ以前か

ら名前は分からなかのですが、そういう仕事をしている人がいるということは噂で知っていました。」

樋口 「私がA社で競売案件をやり始めたのは、確か平成13年からだね。」

福本 「ということは任意売却という言葉をようやく我々不動産業界でも使い始めた頃ですね。」

樋口 「そうだね。」

福本 「私が競売案件を手掛けだしたのは不動産業界に入って1年後くらいで平成7年頃なので、その頃は任意売却とい

う言葉の意味が誰も分からなかった時代だったけど。」

樋口 「競売案件などまともな不動産業者が取り扱うものではないと思われていた時代だね。」

福本 「その頃、東京地裁の八王子支部(*現在は立川に移転)の2階に執行官室があって、競売関係の資料なんかも

その階にあったんだけど、出入りしている連中は顔ぶれが決まっていてお互い顔見知りみたいな感じでしたね。」

樋口 「業者間でー前回は誰それの顔を立てて入札を譲ったから、今回はこの物件は誰それが入札するーなんていう話

が平気でされてた時代もあるって聞いたことがあるよね。」

福本 「今みたいにネットで競売の資料を閲覧できる時代が来るとはその頃は到底想像できなかったですね。」

樋口 「そもそも、競売の手続きに関する法律が目まぐるしく変わったからね。」

福本 「本当にそのとおりで、特に大きく状況が変わったのはー抵当権設定後の占有者者(賃借人等)については落札者

に占有権を対抗することができないーということになってからですね。」

樋口 「それまでは、すごく良い土地でも例えば古いアパートなんかが建っていて賃借人が何人かいたりすると落札されな

かったりしたからね」

福本 「いわゆる占有屋と呼ばれる連中が競売物件に入り込んで、落札人に法外な立ち退き料を要求したり、不当に安い

価格で自分達で入札して莫大な利益を得たりしていたという話をよく聞きました。」

樋口 「良い物件だと思って見に行くと組関係の看板がかかっていたりとかあったね。」

福本 「今ならすぐに競売入札妨害で逮捕でしょう。」

樋口 「全く。」

 

2016.02.20

土地の有効利用?Ⅳ

前に「ご自分が既に所有されている土地に収益用建物を建築する場合、建物の建築費用のみならず、土地の実勢価格を加えたものを分母にして計算するべきである。」というお話をしました。

また、実勢価格が坪100万円の土地100坪に建坪100坪(賃貸専有面積80坪と仮定)の建物を1億円(建築坪単価100万円)で建築した場合、想定賃料が1坪1万円であれば年間想定利回りは4・8%になるのですが、想定賃料を変えてシュミレーションしたものが下記の表になります。

2

 

 

 

ところで、この物件を売却するといくらの値が付くでしょうか?

ここでは建物が新築又は築浅で、減価償却がたっぷり残っているという前提で考えます。

また、仲介手数料その他売買に要する費用はないものとします。

建物原価が1億円で原価償却が0だとすると想定賃料別の売価は下記の表のとおりになります。

*建物の減価償却が進んでいる場合は当然売価自体が低くなりますので結果はあまり変わらないと思って差し支えあり

ません。

1

 

この表をご覧になれば、土地上に建物を建築した場合のリスクが一目瞭然でお分かりになると思います。

利回り7%で売却した場合は更地で1億円の土地が3,700万円になってしまいます。

ウソのような話ですが、私がこのような売買を実際に行ったことは数多くあります。

いずれにしても、現実には建物に資金を投入して総体価値が上がることは極めて稀であるということです。

次回は土地の有効利用に成功した実例についてお話します。

 

 

 

 

 

 

 

 

2016.02.17 不動産コンサルブログ

土地の有効利用?Ⅲ

土地の上に建物を建築するだけでは必ずしも資産価値の増大には結びつかない場合が多いというお話をさせていただいていますが、もう少しこの手のお話を続けてみたいと思います。

なぜなら、実際に私が知っている例で余りにもお気の毒な結果を招いた方が多数いらっしゃるからです。

皆さん、ご自分の所有される土地に建物を建てる場合、転売する可能性を考慮されることは殆どないのではと思います。

我々宅建業者は逆に買い取った不動産を加工(更地に建物を建てたり、元から建っている建物をリノベーションしたり)して第三者に転売して利益を上げるということが業になっているわけですから、転売を前提とするスキームを基本とすることは当然の話です。

そうなると物件の原価計算が重要となるわけですが、言うまでもなく原価の基本となるのは土地の価格と建物の価格の合計となります。

前に「ご自分の所有される土地上に収益用不動産を建築する場合は、建物の建築費用のみを分母として利回り計算をするのではなく、土地の実勢価格を加えたものを分母とすべきである。」と書きましたが、これはその物件を売却する場合の目安にもなります。

勿論、「売却する予定は全くないから、そんな計算は不要だ。」と言う方もいらっしゃると思います。(というよりは大抵の方は売却を前提とされていないと思います。)

しかし、現実に私達がユーザー様に依頼されて売却した物件(弊社がユーザー様から買い取ったものを含めて)の大半(おそらく90%以上)は当初は元々売却されることを前提にされたものではありませんでした。

例を挙げればキリがないのですが、思いつくだけでもまだ原価償却が半分も終わっていない建物を解体取り壊した経験は数多くあります。

中には建物のローンが多く残っており、物件の売却代金の中からローンの返済を行うと手取り金額が僅かしか残らないという前回お話したような例も多くありました。

このような結果を招いてしまう根本原因をいくつかの実例に基づいて分析してみましょう。

1、 普遍性の低い建物を建築した例

立地も悪くない、また建蔽率・容積率なども良い土地で建物もまだ新しいのに一般的には売却することが難しい建物

が建っている物件。

実際にあった案件では、自宅と事務所(自己使用)、賃貸用の共同住宅の複合建物(築年数は10年を少し経過した

程度でまだまだ新しい建物)が建築されていた物件の売却を行ったことがあります。

これらの建物を敷地を分割して別々(自宅、事務所、共同住宅)に建築していれば建築費用はそれほど変わらないう

えに、売却価格はおそらく1・5倍近くなったと思われます。

また、全てを売却する必要がなかったのではないかと思われます。

2、 収益用に向いていない立地に収益用建物を建築した例

住宅地としてはそこそこ人気があり、エンドユーザー価格としては1坪60万円~70万円ほどで売却可能な立地。

但し、最寄り駅から距離があり(バス利用)賃貸用物件としてはアクセスが悪いので賃料は低めに想定せざるを得ない

立地。(特に単身者用賃貸物件としての需要は殆ど見込めないので、ファミリー向けの間取りにせざるを得ないため、

坪単価は益々低くなる。)

このような土地に収益用アパートを建築(築年数は十数年、ローンの返済は元金ベースで半分ほど)したのですが、

建築費の坪単価は土地の実勢価格(坪単価)を上回る約90万円でした。(外構工事等を含む。)

当初は収益用資産としての売却を試みたのですが、収益用資産としては人気がある地域ではないため中々買い手

がつかず、最終的には戸建て用地として売却されました。

建物は当然解体撤去されました。

3、 建築した建物の配置が悪かった例

自宅部分を含め広い敷地を所有されていた方ですが、土地の一部を売却して納税資金を捻出する必要が生じたの

で、私どもに売却を依頼されました。

その時になって初めてご自分の所有されている土地の全体の測量を行ったのですが、10年足らず以前に建築され

たアパートが土地を分割するうえで支障をきたす位置に建てられていることが判明しました。

その結果、売却する土地の地形が悪くなり売却の坪単価が低くなるか、このアパートを解体撤去するか、あるいは自

宅建物を解体撤去するかという選択肢(私は自宅建物を解体撤去して一部を売却することをお勧めしました。)になっ

たのですが、最終的にはアパートを解体撤去しました。

この他にも様々な例に遭遇してきましたので、またお話させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

2016.02.16 不動産コンサルブログ

弊社の相談役をご紹介します。

弊社の相談役の樋口利行です。

この道30年以上のベテランで私は勿論、若い営業マン達にとって良き相談役であり、指南役でもあります。

私と共同で取り組んだ案件も数多くあり、このブログを書くにあたっても「樋口さんそう言えばこんなこともあったよね。」という具合で過去に取り扱った案件のことを話題にしながら書くことが多いです。

まだまだ皆さまにお伝えしたいことが山ほどあって、どれから書いていくか迷いますが、面白くて尚且つ皆さまの参考になるようなものを書いていけたらと思います。

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