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2019.01.25

不動産に関する用語解説 初級編(4)

今回は借地に関するトラブルについて述べます。

借地に関するトラブルで考えられるケ-スは、(1)地代の増減額請求、(2)借地非訟事件(5種類)が挙げられます。

(1)地代の増減額請求

借地借家法は、借地契約の当事者に地代の増減額請求権を認めています(借地借家法第11条)。地代が「土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、または近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる」と規定されています。地代の増減額請求権を行使しても、相手方がそれに応じなければ、最終的には裁判で決着を付けざるを得ません。地代の増減額請求権に関しては、調停前置主義(民事調停法第24条の2)が採用されているので、訴訟を提起する前に調停を経る必要があります。なお、増減額についての裁判が確定した場合には、増減額請求権行使の時に遡って過不足を精算しなければならず、 この過不足額には年10%の利息を付けなければなりませんので、裁判確定までに長期間が予想される場合には、注意が必要です。

(2)借地非訟事件

借地借家法上で借地非訟事件として取り扱うことができる事件は、下記の5種類です。

借地非訟事件は特段の事情がなければ、概ね1年以内には終了します。

①借地条件変更申立事件(借地借家法第17条1項)

借地契約には、借地上に建築できる建物の種類、建物の構造、建物の規模、建物の用途等を制限しているものがあり、このような制限を借地条件といいます。借地権者が、これらの借地条件を変更して、別の構造等の建物に新しく建て替えたい場合には、土地所有者との間で借地条件を変更する旨の合意をすることが必要になりますが、合意をすることができないことがあり、このようなとき、借地権者は、借地条件変更の申立てをして、裁判所が相当と認めれば、借地契約の借地条件を変更する裁判を受けることができます。

②増改築許可申立事件(借地借家法第17条2項)

借地契約には、借地上の建物の建替え、改築、増築、大規模修繕等をする場合には、土地所有者の承諾が必要であると定めている場合が多く、承諾が得られない時は、借地権者は、増改築許可の申立てをして、裁判所が相当と認めれば、土地所有者の承諾に代わる許可の裁判を受けることができます。

③土地の賃借権譲渡又は転貸の許可申立事件(借地借家法第19条1項)

借地契約が土地の賃貸借契約の場合、借地権者が借地上の建物を譲渡するときは(この場合は、土地の賃借権も譲渡される)、土地所有者の承諾を得る必要がありますが(民法612条)、承諾を得られない時は、借地権者は、土地の賃借権譲渡許可の申立てをして、裁判所が相当と認めれば、土地所有者の承諾に代わる許可の裁判を受けることができます。

④競売又は公売に伴う土地賃借権譲受許可申立事件(借地借家法第20条1項)

借地契約が土地賃貸借契約の場合、競売又は公売で借地上の建物を買受た人は(この場合は、土地の賃借権も譲渡される必要がある)、土地所有者の承諾を得る必要がありますが、承諾を得られない時は、競売又は公売に伴う土地賃借権譲受許可の申立てをして、裁判所が相当と認めれば、土地所有者の承諾に代わる許可の裁判を受けることができます。この場合、建物代金を支払った後2か月以内に申立をする必要があります。

⑤借地権設定者の建物及び土地賃借権譲受申立事件借地借家法第19条3項、20条2項)

本項はトラブルではないかもしれませんが、③土地の賃借権譲渡又は転貸の許可申立事件及び

④競売又は公売に伴う土地賃借権譲受許可申立事件の場合、土地所有者には自ら土地の賃借権を借地上の建物と一緒に優先的に買い取ることができる権利(介入権)が与えられています。

土地所有者は、裁判所が定めた期間内に限り、介入権を行使する申立をすることができ、申立があると、原則として、土地所有者が借地権者の建物及び土地の賃借権を裁判所が定めた価格で買い受けることになります。

 

 

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