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2018.11.20

不動産に関する用語解説  初級編(2)

今回は「限定価格」について説明します。

昔から「隣の土地は倍出しても買え」、「隣の土地は借金してでも買え」などと巷では言われていますが、今回はこのことについて理論的に説明してみたいと思います。

「隣の土地を買う」時に、不動産鑑定評価基準で言うところの「限定価格」に該当する場合があります。

「限定価格」は大雑把に言うと、マ-ケットで一般に成立する価格より大幅に高い価格で成立した価格であっても、経済合理性にかなっている価格であると言えます。

不動産鑑定評価基準では、「限定価格」とは次のように規定されています。

限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合、又は、不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市価値場を適正に表示する価格をいう。限価格定を求める場合を例示すれば、次のとおりである。

(1)借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合

(2)隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合

(3)経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合

以下1つの例を挙げて説明したいと思います。

画地Aと隣り合って画地Bがあります。表側に画地A、背後に画地Bが位置し、いずれも面積は100㎡で、商業地域(80、500)に属しています。

画地Aは表通りの15m道路に接面しており、基準容積率は500%、正常価格(マ-ケット価格)は㎡当たり100万円、総額1億円、画地Bは裏通りの4m道路に接面しており、基準容積率は240%、正常価格(マ-ケット価格)は㎡当たり50万円、総額5千万円とします。

画地Aと画地Bとを併せた一体地を画地Cとし、画地Cは15m道路と4m道路に接面する二方路で、基準容積率500%、正常価格(マ-ケット価格)は㎡当たり105万円、総額2億1千万円とします。

まず、全体地の画地Cの価格から画地Aの価格と画地Bの価格の合計額を控除して、増分価値を計算します。

画地Cの価格    画地Aの価格    画地Bの価格     増分価値

210,000,000円 - (100,000,000円 + 50,000,000円)       =      60,000,000円

ここで、極端な場合を想定すると、画地Aの所有者が画地Bを購入する場合に

画地Bの価格   増分価値                    購入最高額

50,000,000円 + 60,000,000円 = 110,000,000円  となります。

仮に画地Aの所有者が上記の110,000,000円で画地Bを購入した場合でも、

購入最高額     画地Aの価格     画地Cの価格

110,000,000円 + 100,000,000円  ≦ 210,000,000円 となり、損はしていないことになります。

また、反対に画地Bの所有者が画地Aを購入する場合に

画地Aの価格      増分価値                    購入最高額

100,000,000円 + 60,000,000円 = 160,000,000円  となります。

仮に画地Bの所有者が上記の160,000,000円で画地Aを購入した場合でも、

購入最高額     画地Bの価格      画地Cの価格

160,000,000円 +   50,000,000円  ≦ 210,000,000円 となり、上記と同じように、損はしていないことになります。

上記はあくまでも、極端な例ですが、通常は増分価値を画地Aと画地Bに合理的に配分し、それぞれの限定価格を算出します。

増分価値の配分方法は、10以上ありますが、代表的なものを以下に揚げます。

①総額比による方法       それぞれの土地の総額で按分する方法

②面積比による方法       それぞれの土地の面積で按分する方法

③単価比による方法       それぞれの土地の単価で按分する方法

④買入限度額比による方法    それぞれの土地の買入限度額で按分する方法

一般的に用いられている方法は、総額比による方法で、以下総額比による方法で前記の例を計算し画地Bの限定価格を計算してみます。。

・画地Aの所有者が画地Bを購入するケ-ス

増分価値 × (画地Bの価額 / 画地Aの価額 + 画地Bの価額) + 画地Bの価額

= 画地Bの限定価格

60,000,000円 × (50,000,000円 / (100,000,000円 + 50,000,000円)

+  50,000,000円  ≒ 70,000,000円

・画地Bの所有者が画地Aを購入するケ-ス

増分価値 × (画地Aの価額 / 画地Bの価額 + 画地Aの価額) + 画地Aの価額

= 画地Aの限定価格

60,000,000円 × (100,000,000円 / (50,000,000円 + 100,000,000円)

+  100,000,000円  ≒ 140,000,000円

以上の結果から、画地Bの限定価格の限定価格は、70,000,000円、画地Aの限定価格は、

140,000,000円で、それそれ正常価格に比して、20,000,000円と40,000,000円高くなっています。

今回は限定価格の説明でしたが、ご理解頂けましたでしょうか。

次回は、「借地トラブル(借地非訟)について」説明したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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