不動産コンサルブログ
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2018.11.30

外国人労働者問題・続き

皆さん論点がずれているのでは?

この問題について何度も言うことに疲れてきましたが、与野党もマスコミもまたこの問題についてマスコミのインタビューに答える一般国民の皆さんも大事なことを考え違いしているとしか思えないのは私だけでしょうか?

先ず、第一番目に認識しなければならないことは、日本の少子高齢化による労働人口の減少が叫ばれてきたのは最近の話ではなく遥か以前からのことであり、また実際に各種の業界で人手不足が顕在化してきたのも相当以前からのことです。

私の感覚で考えても、少なくとも10年以上前から、都心の飲食店街では片言の日本語を話す店員が多く見られるようになりましたし、また農業、漁業(マグロやカツオなどの船などは早くから外国人労働者に頼っていたようです。)に関してもその頃からテレビの番組などで良く取り上げられており、相当数の外国人が日本国内で働いていることは誰しも想像できたはずです。

しかし、具体的に彼らがどのような資格で、またどのような制度により日本に来て、どのような身分上の保証を受けているのかというようなことについては私も良く分からないままになっていました。

しかし、5年ほど前からは同業者なども深刻な人手不足について嘆くようになりましたし、弊社においても人手が確保できないばかりに折角受注した仕事を受けられないということもありました。

そのような経緯で、外国人労働者の実情について関心が深まり、色々な情報を入手するように努めた結果、分かったことは驚くべき事実で、日本には既に多くの外国人労働者が訳の分からない資格・制度によって就業しており、今後も増え続けることは確実であるという現実でした。

2018年の時点では130万人もの外国人労働者が日本国内にいることは皆さんすでにご存じだと思います。

その内、半数近い55万人ほどは技能実習生と留学生です。

留学生は本来、日本国内における就労が目的ではないはずですが、週28時間以内という範囲で事実上労働者として日本国内に居住しており、立派な戦力として各雇用先にあてにされている者も多くいるようです。

130万人という人数はすごい数では?何故これまで誰も騒がなかった?

連日の報道を聞いていると、日本には現在外国人労働者は殆どおらず、これから受け入れるかのような話に聞こえますが、とにかく既に130万人以上の外国人が日本で働いているのです。

また、今後増やす予定の外国人労働者の数は僅か34万人程度ということで、現在の総数の25%程度に過ぎず、大騒ぎするような内容ではありません。(130万人程度ではとても足りないので1000万人までは入国を認めようという話なら別ですが)

というか、既に技能実習生と留学生を併せて55万人も入国しているということ自体にこれまで何ら異議を唱えてこなかった野党が今更何を反対しているのかということが不可思議です。

また、政府与党は一貫して国内に移民を受け入れることを否定していますが、130万人の外国人労働者は移民に他ならない存在です。

産業界の要請としては、せっかく技能や言葉に習熟した外国人を僅かな期間で帰国させてしまうことは大変勿体ない話で、雇用側が受け入れを躊躇する大きな要因となっていました。

数年前に技能実習生については滞在期間が事実上3年から5年に延長され、その頃から私達も外国人の労働力を導入することが具体的・現実的な話になっていったように思われます。

今回の出入国管理法改正案は、外国人労働者に対する門戸開放に向けて更に進んだ規定が盛り込まれていることは間違いなく、外国人労働者の待遇改善や雇用側の利益に結び付く可能性が高くなるという評価は出来ると思います。

この際、言葉の誤魔化しはやめてほしい

以上述べた通り、日本が、外国人の労働力に頼らざるを得ないと判断されたのは昨今のことではなく、遥か以前のことであることは間違いないのです。

しかし、その頃(10年以上前の話だと思いますが)、「猫の首に鈴を付ける」役割を負うべき政治的リーダーが不在だったというわけです。

とにかく、所轄官庁は恐々として外国人労働者に対し密かに門(裏門?)を開けたわけで、その後何故かマスコミをはじめ誰も大きな問題として騒がずに130万人もの規模になってしまったということが厳然たる事実です。

また、大量の外国人を受け入れるための関連法案の整備や官民一体となった受け入れ態勢の強化に関しても殆ど手つかずの状態でここまで来てしまっている状況です。

この点については政府与党だけの責任ではなく、問題を一切取り上げてこなかった野党にも同様の責任があることは言うまでも有りません。(議論する時間がないという主張は言い訳にしか聞こえません。)

今回の法改正を良い契機として、今後は外国人労働者を「移民」として正式に受け入れ、日本人と同等の権利・義務を付与することを切に望みます。

 

 

2018.11.29

外国人労働者問題

今、正に時代が変わろうとしている

予想通り、というか絶対多数の自民党政権下では当然の話ですが、外国人労働者の門戸開放に向けた出入国管理法改正案は11月27日に衆議院を通過し、現在は参院本会議で審議中です。(このブログを書いているのは29日です。)

前回も述べたことですが、政府自民党のやりかたも、最重要課題であるにもかかわらずこれまでに一度も取り上げられていなかった問題について、15時間という短い審議時間でなし崩し的に採決というあざとい手段ですが、野党の主張は本当にお粗末というかレベルが低すぎます。

このブログで以前に取り上げた話ですが、私の自宅の近くにあるファミレスでは、数年前から注文方式をタッチパネル方式に変えました。

飲物についてもセルフサービス方式に変更し、最低限のスタッフでやりくりできるように涙ぐましい努力をしています。

また、やはり私に自宅にほど近い麺類のチェーン店では、以前は調理については専門のスタッフがいて鍋を使って調理していましたが、1年ほど前に全て自動調理器で調理するようになり、6人ほどいるスタッフ全員が女性(おそらくパートタイマ―でしょう)になりました。

しかし、料理の出される時間は以前より早くなり、肝心の味のほうも私は以前より向上していると思いました。

このような各企業の努力ももはや限界に近く、24時間開いている飲食店は年々少なくなっています。

飲食以外の業種についても、人手不足の問題は山積していることは皆さん良くご存じだと思います。

昨日、同業者や関連業種の経営者の方達とゴルフコンペがあり、色々と世間話も出ましたが、ある社長さんは現在外国人実習生を20人ほど雇用しているそうですが、もはや彼らの力なくしては会社の業務が成り立たないとこぼしていました。

この会社では、日本人、外国人にかかわらず報酬面は勿論、勤務時間や住居に関する面に関しても100%以上法的な規定(ガイドラインを含め)を遵守しているということですが、それでも日本人のみで必要な労働力を確保することは難しいようです。

雇用側に対する監視体制の強化

外国人を受け入れる際に最も厳守しなければならないことは、雇う側に雇用条件に関する規定を遵守させるということです。

つまり、最低賃金を支払うことは当然の話ですが、残業に関しても割り増しで支払うことは勿論、無理な残業を強いることや当初の取り決め以外の内容の労働を強制するなどはもってのほかの話です。

規定を守らない雇用者に対しては多額の罰金や懲役刑を含む厳罰を科すことは当然の話で、訴えがあればすぐに対応できる制度の創設が切に望まれます。

この点を厳守しなければならない理由は、外国人のドロップアウトを防ぐためです。

若者の夢が実現できる国へ

外国人労働者の内、失踪者の数は年々増加しており正確な総数は把握されていないのではないかと思われます。

この問題を放置しておけば、失踪者の中には心ならずも犯罪行為に走る者も出る可能性がありますし、そのことが外国人労働者に対する偏見を助長することに繋がるという悪循環に繋がる恐れがあります。

我々日本人がそのような「負の土壌」を生み出す原因を作っているにも関わらず元々は純粋な動機で入国した外国人労働者をドロップアウトさせてしまう結果を招くとするとそれは大変罪深い行為に他なりません。

野党の皆さんは、やみくもに法案に反対するのではなく、そのような監視体制の構築を始め、日本人と外国人の共存共栄に向けた制度作りについて政権が真剣に取り組むことを確約させる方向(次の国会でより良い制度作りに関する関連法案について審議することなど)で議論してほしいと切に願う次第です。

そのような努力は、将来の日本が日本人にとっても外国人にとって自らの夢を実現できる国になる道に繋がると思います。

 

2018.11.27

収益資産の形成㉑外国人向けの物件・纏め②

余談ですが、

このブログを書いているのは平成30年11月27日ですが、今日行われている臨時国会で外国人労働者の受け入れ拡大を目指す「出入国管理法改正案」の改正案が正に本日採決されそうな状況です。

野党は、法務大臣の不信任案を提出するなど抵抗の構えですが、政府自民党は数の論理で押し切るつもりのようです。

いずれにしてもあと数時間で結論が出ることは間違いないのですが、野党が主張する「審議の時間が短すぎる」という論理は全く的外れだと思います。(確かにこのような重要な法案の審議に要した時間が15時間余りということは考えられませんが)

問題の本質は、はるか以前から顕在化していたにもかかわらず、なんら議論されなかったのは誰のせい?

以前このブログにも書いたことですが、私は数年前から日本の少子高齢化とそれに伴う人手不足は大変深刻な問題であると公言しており、この問題が国会やマスコミで大きく取り上げられることもなく、またその他公けの場で対策を議論されることなく今日まで来てしまったことは全く不可思議としか言いようがありません。

私のような者でさえ少なくとも3年以上前から段々少なくなっていく24時間営業の飲食店の問題や宅配便のドライバーの過重労働の問題、介護の人出不足などが気にかかっていたにも関わらず、国の将来を設計する立場にある国会議員の方達がこの問題をこれまで取り上げなかったということは、与野党問わず怠慢としか言いようがなく、今更審議する時間がないという言葉は言い訳にしか聞こえません。

猫の首に鈴をつける人は?

そもそも既に130万人の外国人労働者が日本国内で働いていることは厳然たる事実であり、また彼らの力なくしてはもはや成り立たなくなっている業種が多くあることも受け入れなくてはならないことです。

130万人もの外国人が半ば「脱法的」に日本国内で労働に従事しており、中には不当な扱いを受けドロップアウトした者も多くいる(外国人実習生の失踪者は1年だけで7000人と言われています。)現状は、国際的に見ても恥ずかしい話で、これ以上この問題を放置することは許されないことです。

そもそも、「外国人実習生」などという呼称は質の悪い誤魔化しとしか言いようがない言葉で、日本で何年もの間労働してもらう以上はいかなる理由があっても正式な就労ビザを発行して彼らの身分を保証してやるべきです。

いい加減な言葉で実態を誤魔化すことは良くも悪くも官僚的発想から来るのだと思いますが、この問題は日本の国家的問題と受け止めるべきで、「言葉による誤魔化し」で済ませることは絶対にやってはならないことです。

おそらく政治の中枢にいる人たちは相当以前からこのような局面が来ることは予想できていたはずで、民主党政権時代の2011年(東日本大震災の年)には141、994人の技能実習生が日本にいたというデータがあります。(失踪者も多くいました。)

従って、政府与党のみならず、当時民主党に所属していた議員も外国人労働者に関するデータは容易に入手できたはずで、失踪者などの問題も当時から問題にされなければならなかったはずです。

とにかく、外国人労働者が130万人日本国内で就労しており、今後も増え続けるという厳然たる事実を全ての日本人が受け入れ、誤魔化しではない万全の受け入れ体制を今後築いていかなければならないことを認識するべきです。

また、政治家は勇気をもって我々国民に「外国人との日本国内における共存共栄の関係」を提案するべきです。

今回の法改正は遅きに失したとはいえ、安倍政権がこれを断行しようとしていることは取りあえず評価したいと思います。(やりかたは「だまし討ち」に近いあざとい方法ですが)

本来は、ややこしい言葉は全て廃止して日本で労働する外国人には全て就労ビザを発行し、理由は問わず1年以上労働目的で滞在する外国人は「移民」として受け入れ、必要な権限全てを付与するべきです。(勿論、日本国民と同様の義務も負ってもらわなくてはなりませんが)

最後に

一昨日、昨日(11月24日、25日)は用事があって九州福岡に行っていました。

26日の朝早くの飛行機で福岡空港から帰ったのですが、フライトの直前に空港の食堂で朝食を食べました。

利用したのは搭乗口の隣にある定食などを売り物にする店で、時間は朝の7時30分位でしたが、この店を切り盛りしていたのは二人の外国人でした。

国籍は分かりませんでしたが、二人ともおそらく東南アジア系の方でした。

二人だけで調理から店内の切り盛り、レジなどもこなしていおり日本語も上手でした。

どのような経緯で来日したのかは分かりませんが、私は慌ただしく朝食を済ませながらも彼らが日本を離れる時は笑顔で帰国してほしいと祈らざるを得ませんでした。

 

 

 

2018.11.20

不動産に関する用語解説  初級編(2)

今回は「限定価格」について説明します。

昔から「隣の土地は倍出しても買え」、「隣の土地は借金してでも買え」などと巷では言われていますが、今回はこのことについて理論的に説明してみたいと思います。

「隣の土地を買う」時に、不動産鑑定評価基準で言うところの「限定価格」に該当する場合があります。

「限定価格」は大雑把に言うと、マ-ケットで一般に成立する価格より大幅に高い価格で成立した価格であっても、経済合理性にかなっている価格であると言えます。

不動産鑑定評価基準では、「限定価格」とは次のように規定されています。

限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合、又は、不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市価値場を適正に表示する価格をいう。限価格定を求める場合を例示すれば、次のとおりである。

(1)借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合

(2)隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合

(3)経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合

以下1つの例を挙げて説明したいと思います。

画地Aと隣り合って画地Bがあります。表側に画地A、背後に画地Bが位置し、いずれも面積は100㎡で、商業地域(80、500)に属しています。

画地Aは表通りの15m道路に接面しており、基準容積率は500%、正常価格(マ-ケット価格)は㎡当たり100万円、総額1億円、画地Bは裏通りの4m道路に接面しており、基準容積率は240%、正常価格(マ-ケット価格)は㎡当たり50万円、総額5千万円とします。

画地Aと画地Bとを併せた一体地を画地Cとし、画地Cは15m道路と4m道路に接面する二方路で、基準容積率500%、正常価格(マ-ケット価格)は㎡当たり105万円、総額2億1千万円とします。

まず、全体地の画地Cの価格から画地Aの価格と画地Bの価格の合計額を控除して、増分価値を計算します。

画地Cの価格    画地Aの価格    画地Bの価格     増分価値

210,000,000円 - (100,000,000円 + 50,000,000円)       =      60,000,000円

ここで、極端な場合を想定すると、画地Aの所有者が画地Bを購入する場合に

画地Bの価格   増分価値                    購入最高額

50,000,000円 + 60,000,000円 = 110,000,000円  となります。

仮に画地Aの所有者が上記の110,000,000円で画地Bを購入した場合でも、

購入最高額     画地Aの価格     画地Cの価格

110,000,000円 + 100,000,000円  ≦ 210,000,000円 となり、損はしていないことになります。

また、反対に画地Bの所有者が画地Aを購入する場合に

画地Aの価格      増分価値                    購入最高額

100,000,000円 + 60,000,000円 = 160,000,000円  となります。

仮に画地Bの所有者が上記の160,000,000円で画地Aを購入した場合でも、

購入最高額     画地Bの価格      画地Cの価格

160,000,000円 +   50,000,000円  ≦ 210,000,000円 となり、上記と同じように、損はしていないことになります。

上記はあくまでも、極端な例ですが、通常は増分価値を画地Aと画地Bに合理的に配分し、それぞれの限定価格を算出します。

増分価値の配分方法は、10以上ありますが、代表的なものを以下に揚げます。

①総額比による方法       それぞれの土地の総額で按分する方法

②面積比による方法       それぞれの土地の面積で按分する方法

③単価比による方法       それぞれの土地の単価で按分する方法

④買入限度額比による方法    それぞれの土地の買入限度額で按分する方法

一般的に用いられている方法は、総額比による方法で、以下総額比による方法で前記の例を計算し画地Bの限定価格を計算してみます。。

・画地Aの所有者が画地Bを購入するケ-ス

増分価値 × (画地Bの価額 / 画地Aの価額 + 画地Bの価額) + 画地Bの価額

= 画地Bの限定価格

60,000,000円 × (50,000,000円 / (100,000,000円 + 50,000,000円)

+  50,000,000円  ≒ 70,000,000円

・画地Bの所有者が画地Aを購入するケ-ス

増分価値 × (画地Aの価額 / 画地Bの価額 + 画地Aの価額) + 画地Aの価額

= 画地Aの限定価格

60,000,000円 × (100,000,000円 / (50,000,000円 + 100,000,000円)

+  100,000,000円  ≒ 140,000,000円

以上の結果から、画地Bの限定価格の限定価格は、70,000,000円、画地Aの限定価格は、

140,000,000円で、それそれ正常価格に比して、20,000,000円と40,000,000円高くなっています。

今回は限定価格の説明でしたが、ご理解頂けましたでしょうか。

次回は、「借地トラブル(借地非訟)について」説明したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

2018.11.13

収益資産の形成⑳外国人向けの物件・纏め①

賃貸市場を始め、日本経済への影響は?

現在のところ、政府は外国人労働者に対する門戸開放の動き(「門戸開放」や「移民」という言葉は頑なに使わないようにしているようですが)に際して、今後どれほどの人数を日本国内に入れる予定か明らかにしていませんが、現在130万人の外国人労働者が既に日本国内にいるわけで、尚且つそれでも労働力が決定的に不足しているわけですから、少なくとも将来増える人数は100万人単位になるはずです。

日本の若い世代の一学年の人数は100万人を切っており今後も減り続ける見込みですから、必要となる外国人労働者の総数は1000万人の単位になるかもしれません。

参考までに、日本人の人口構成比の問題を少し検証していみると、2000年と2015年の各世代の男子の人数は下記のとおりです。

2000年          2015年

20歳~24歳       4307242人       3046392人

25歳~29歳       4965277人       3255717人

30歳~34歳       4436818人       3684747人

35歳~39歳       4096285人       4204202人

合 計          17805622人      14191058人

上記の統計から、僅か15年の間に20歳から39歳の男子の人口は3614564人も減っていること事が分かります。(女子も同じような数字です。)

参考までに0歳から4歳までの男子の人口は下記のとおりです。

2000年          2015年

0歳~5歳         3022521人       2550921人

こちらは471600人減少しています。

このブログでも既に述べていることですが、首都圏の賃貸市場はバブル崩壊後30年間右肩下がりとなっており、借り手市場が続いていますが、これは当然少子高齢化による人口の減少が最も根本的な要因であることは間違いありません。

借り手の絶対数が年々減少している以上、不動産(収益用不動産)の市場も盛り上がるはずがなく、例外的に「相続税対策」を売り物にする一部の業者が業績を伸ばしているに過ぎない現状です。

収益用不動産の市場は、本来なら「投資プロジェクト」として成り立つスキームのみ実行に移すべきですが、現状はそうではなく、地主など一部の富裕層に寄りかかる形の投資話が大半であることは残念な話です。

これらの物件の多くはいずれ中古物件として再販されるようになった場合は投資総額の2分の1以下の価格で売らざるを得ない運命であることは間違いなく、イーミライ・グループの関連会社が昨年1億円で買い取った物件は建物建築費だけで総額3億円ほどの資金が投入された物件でした。

このような「負の遺産」をこれ以上増やさないためには、借り手の総数を増やす以外根本的な対策はありません。

また、企業が新規投資に二の足を踏んでいる原因も国内の消費人口が増えないと予想せざるを得ないことにあると考えられます。

いずれにしても、私が数年前から事あるごとに主張していることですが、外国人の労働力を一刻も早く国内に入れることは日本の国力を維持向上するための必須条件です。

また、それにあたっては手続きを全て合法的に行い、官民一体となった受け入れ態勢を整える努力を惜しまないことです。

外国人労働者に対する門戸開放政策は明治維新の開国政策以来の国運を掛けた政策転換に他ならないのですが、現在までの政府やマスコミの対応はそのような国の命運を賭けた政策に対するものとは程遠く、これまでなし崩し的に130万人もの外国人労働者を多くの国民に何ら説明なしに「入れてしまった。」という状況です。

これらの外国人労働者の多くは「脱法的」に入国、滞在していることが現状であり、そのことが外国人労働者のドロップアウトを助長する大きな原因となっており、日本人の外国人に対する偏見を助長させるという悪循環の原因となっています。

このような事態を改善し、来日した外国人が健全に努力する限り、かれらの当初思い描いていた夢や希望を叶えることが出来る環境を整えることが我々の義務であると思います。

また、私は、来日する外国人の生活環境が底上げされ、衣食住に関する消費を拡大してくれれば日本経済にとっても格好の刺激になり、長年悩んでいる物価の低迷やマイナス金利の問題などにも根本的な解決策を見出せることに繋がるのではないかと期待しています。

 

 

 

 

 

2018.11.09

収益資産の形成⑲ー外国人向けの物件・3

具体的な外国人向けの収益物件

他ならぬ私達イーミライ・グループが現在手掛けている外国人向けの物件の話で大変恐縮ですが、現在2つのパターンの外国人(ベトナム人専用)のシェアハウスを計画しています。

一つ目は、都心の空きビルを改装して外国人向けのシェアハウスに転用しようというものです。

もう1件は、都心からほど近いターミナル駅徒歩5分の土地に木造2階建てのシェアハウスを建築しようという計画です。

いずれの物件も知り合いのベトナム人を支援するNPO法人の代表の方やその関係者の方々のご助言を得ながら計画を進めている所です。

一番の問題点は、土地の価格が安からぬ都心や都心までの便利が良い立地の物件で入居費用をいかに抑えるかという問題です。

外国人の入居者が支払うことが出来る月額の賃料は管理費も含めて一人3万円前後がいいところだと思います。

ということは、一人あたりに割り当てられる居室面積は狭小なものになることはやむを得ないものがあります。

しかし、狭い空間であっても寛げる共用スペース(LDK)やトイレ、洗面、シャワースペースなどの充実、テレビ、エアコン、洗濯機(乾燥機付き)など設備面を充実させること、洗剤、石鹸、トイレットペーパーなど消耗品を定期供給することなどによって少しでも快適な居住空間を作り出せるように努めたいと考えています。

今後の展望

外国人労働者の日本における総数はすでに130万人もいるという報道を聞いて驚いた方も多くいらっしゃると思います。

その内、外国人留学生の数は26万7042人、外国人技能実習生の数は約27万人と留学生とほぼ同数になっています。(2017年のデータ)

両者合わせて約54万人の外国人が日本に滞在しているわけですが、彼らの多くは単純労働に従事しているのが現状です。

外国人技能実習生に対しては「日本人と同等の待遇」が義務付けられていますが、実際のところは各都道府県が定める最低賃金が支払われているにすぎない例が大半で、中には法規を無視した低賃金で無理な労働を強いている例もあるそうです。

そのような不法な雇い主に対しては行政は厳罰をもって望むことは当然の話ですが、先ずは官民一体となって彼らがドロップアウトすることを防ぐ努力をしなければなりません。

外国人技能実習生の内、2017年に失踪した人数は約7000人、これまでの失踪者の総数は26000人にも及び、現在把握されているだけで66498人の不法滞在者が日本国内にいるということです。

彼らがドロップアウトする原因の過半は受け入れ側の日本になるといって差し支えなく、これは彼らが来日するに際して受け入れるための法整備や環境づくりが整っていないことが大きな理由であることは間違いありません。

特に、130万人にも及ぶ大量の外国人を脱法的に受け入れてきた上に、彼らの労働力なくしてはもはや日本経済自体が成り立たなくなるほどの事態を招いてしまった行政の責任は重いものがあります。

しかし、日本が抱える少子高齢化社会とそれに伴う労働人口の不足に対し何ら考えることがなかった私達自身の責任でもあることを今こそ痛感し、私達自身がこれから何ができるか考えなければならない時期にきていると思います。

当たり前の話ですが、どのような人間でも将来の希望が持てる生活環境になければ努力することはできません。

遠い祖国から来日する若い外国人が日本において、多少辛く苦しい労働に従事するとしても日本に滞在する間になんらかの知識と経験を身に着け、母国の家族に対しても送金ができるだけの収入を得ることが出来れば、第二第三の若い人材が日本へ来てくれることでしょう。

また、現在滞在している外国人の母国への送金によって上級学校への就学率などが高まれば、母国において日本語の知識などを身に着けた上で来日することによって、より即戦力の労働力として遇されるわけですから、受け入れ側としてもより好待遇で受け入れ易くなります。

技能実習生の滞在期間の延長や制度の拡張も外国人労働者の生活基盤の底上げに大きな効果があることは間違いありません。

このような試みを繰り返すことにより、来日する外国人労働者のスタンダードを徐々に底上げできると同時に日本の経済に寄与するところも多くなるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

2018.11.09

不動産に関する用語解説 初級編(1)

① 不動産の種類(種別と類型)

不動産を漠然と捉えると「更地」とか「古家付土地」とかを思い浮かべると思いますが、

厳密に言うと、不動産の種類は、「種別」と「類型」の二面から捉えることができます。

「不動産の種別」とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいいます。

これは、宅地地域、農地地域等(地域の種別)、宅地、農地等(土地の種別)に細分されます。

「不動産の類型」とは、不動産の有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類をいいます。

「宅地の類型」は、「更地」、「建付地」、「借地権」、「底地」、「区分地上権」に分けられます。

「建物及びその敷地の類型」は、「自用の建物及びその敷地」、「貸家及びその敷地」、「借地権付建物(自用の場合と賃貸の場合)」、「区分所有建物及びその敷地」に分けられます。

少し堅苦しい話になりましたが、不動産をこのように捉えていくとより明確に個別の不動産を理解できるかと思います。

② 利回り

金融業界や不動産業界では、「キャップ」とか「レ-ト」という用語をよく耳にしますが、これは、「利回り」のことで、利回り=収益 ÷ 不動産価格 となります。

しかしながら、「利回り」とは言っても、「還元利回り」、「期待利回り」、「取引利回り」、「粗利回り」、「NOIcap」、「NCFcap」、「DCF法における割引率(DR)、最終還元利回り(TCR)」等多数が存在します。

まず最初に、収益物件の利回りとしてよく耳にする「粗利回り(グロス)」と「純収益利回り(ネット)」について説明します。

「粗利回り(グロス)」とは、賃貸運営に必要な諸費用等を考慮していない指標で、諸費用等を比較的把握しやすいアパ-トやマンション等の利回り把握には有用ですが、稼働率や修繕費等のリスクが反映されていません。不動産業者の物件チラシに記載されている多くの利回りはこの粗利回りです。

「純収益利回り」とは、 純収益 = 総収益 - 総費用

純収益利回り = 純収益 ÷ 不動産価格 で、金融機関や不動産鑑定機関は、通常純収益利回りを使用した収益価格を試算します。

次に、「NOIに基づいた利回り」と「NCFに基づいた利回り」の違いは、敷金等の運用益とCAPEX(大規模修繕積立金)を考慮しているかいないかで、「NCFに基づいた利回り」は前記の敷金等の運用益とCAPEXを考慮している利回りです。不動産鑑定機関が不動産鑑定評価を行う場合には、通常「NCFに基づいた利回り」を採用しています。なお、不動産証券化を行っているファンド等は「NOIに基づいた利回り」を使用するケ-スが多く見られます。

最後に、「取引利回り」、「期待利回り」、「還元利回り」について説明します。

一般に「期待利回り」とは、投資家が不動産の価格に対して何パ-セントのリタ-ン(純賃料)を期待しているのかを意味する利回りです。

一方、「取引利回り」とは、「期待利回り」とは違い、実際の不動産市場において成立した価格に対する利回りです。

特に「還元利回り」と「期待利回り」については、鑑定業界において、厳密に定義されています。

「還元利回り」は、価格を求める手法である収益還元法において、純収益を割り戻す利回りで、「期待利回り」は、賃料を求める手法である積算法において、基礎価格に乗じて純賃料を査定する利回りで、どちらも元本(価格)と果実(賃料)との相関関係を示す利回りです。

③収益価格

収益価格とは、価格を求める三方式(原価方式、比較方式、収益方式)の内の一つである収益方式による価格です。

一般に、人が物の価値を判定する場合には、

a.それにどれほどの費用が投じられているか(費用性)

b.それがどれほどの値段で市場で取引されているものであるか(市場性)

c.それを利用することによって、どれほどの収益が得られるものであるか(収益性)

という三つの考え方を考慮しています。

これを「価格の三面性」といいます。

収益価格とは、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより、対象不動産の価格を求める手法をいいます。

収益価格を求める方法には、「直接還元法」と「DCF法」があります。

「直接還元法」とは、通常1年間における純収益を還元利回りで割って収益価格を求める手法です。    

対象不動産の収益価格 = 1年間の純収益 ÷ 還元利回り

「DCF法」とは、

a.対象となる不動産が所有期間中に得られる純収益を現在価値へと換算したもの (DR適用)

b.所有期間終了時(通常10年間を想定)に売却ができるであろう価格を現在価値に割り戻したもの  (TCR適用)

対象不動産の収益価格 = a    +    b

収益価格は、賃貸用建物が現に稼働している複合不動産、商業用の不動産において特に重視されるべき価格で、更地、あるいは住居系用途の不動産でも適用が可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2018.11.09

「自己紹介」 

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株式会社 Emirai corporation   CEO・企画室長 不動産鑑定士・宅地建物取引士の河部達哉と申します。

今後、当ブログに時たま登場させていただきます。どうぞ宜しくお願い致します。

これまで約30年間不動産鑑定士として、不動産の鑑定評価業務に携わってきましたが、マ-ケットにより近い総合的な不動産業を営むイ-ミライ・グル-プで今年5月より勤務させていただいております。

不動産鑑定評価業務では、全国各地の各種各類型の不動産の鑑定評価を行い、特に幾つかの破綻金融機関の処理に関する鑑定評価や立川基地跡地立川地区土地区画整理事業、羽田空港跡地地区土地区画整理事業等の評価員としての職務、その他財務省の研修講師を20年以上にわたり担当したこと等、多くの経験をさせていただきました。

これからは、イ-ミライ・グル-プにおいて、一般では取り扱いが困難で物件化・売却が難しい不動産や相続・係争案件についてのコンサルティング業務等に微力ながら取り組んでいきたいと思います。

2018.11.08

収益資産の形成⑱・外国人向けの物件ー2

外国人留学生の現状

外国人労働者向けの住居については、技能実習生として来日する外国人労働者に関しては受け入れ先の企業(個人の場合も有り)が用意することになっており、一人あたりの居室の面積なども規定があるようですが、留学生として来日する外国人に関しては基本的に自ら住まいを確保する必要があります。

現在のところ、多くの外国人留学生は母国で留学の世話をするブローカー的な業者に頼るか,もしくはSNSなどを利用した情報を利用して探すほかないようですが、最も彼らを悩ませる問題は来日する際に掛かる学費や渡航費用などの初期費用の問題です。

多くの外国人留学生はそれらの初期費用の大半を借金によって賄い、来日後の労働によって返済する計画のようですが、初期費用の総額は150万円~200万円にもなるようで、この額は彼らが法的に許容された労働時間である週28時間フルに働いてやっと返済できるくらいの額になります。

ということは、自らの生活費は法的に認められた時間を超過して労働しなくてはならないことは明白なわけで、それではいつ勉強ができるのかということになります。

彼らに来日する本来の目的である勉強ができる環境を整えてあげるには、まずはこの初期費用をなるべく少なくて済む方法を受け入れ側としても考えなければならないと思います。(なぜなら、彼らの目的がある程度努力することによって達成できる道筋を作ってあげることによって、ドロップアウトすることを防ぐことになるからです。現在のペースでドロップアウトする者が増加していけば治安の悪化など社会問題に発展することは必至です。外国人の日本における生活がある程度底上げされれば、国内消費の増加や賃貸市場の活性化などにもつながるはずです。外国人、日本人にかかわらず、努力する若い力を社会がバックアップすることは当然の話です。)

勿論、授業料や入学金などの費用については仕方がないにしても、住まいに関する初期費用や世話人の口利き料のような費用はこちらが受け入れ態勢を整備することによってかなり縮小できるのではないでしょうか。

外国人向けの住まい

都心の物件で利便性をある程度確保しながら格安で済める物件ということになれば、当然一人あたりの居住空間を犠牲にするしかないのですが、現状では2人部屋、3人部屋など複数で居室をシェアすることはやむを得ないのかもしれません。

しかし、冷蔵庫や洗濯機、エアコン、などの家電製品、ベッドなどの家具製品、キチン、トイレ、シャワールーム、バスルーム等の設備を充実させることや、洗剤、トイレットペーパー、などの消耗品の供給など住まいに関する初期費用をなるべく軽減させることはできます。

また、共有スペースを設けて寛げる空間を作るなど住環境に関する工夫と何よりもお互いに気持ちよく過ごせるルール造りに関しては私達が真剣に考え、先鞭をつけなければならないと思います。

考えてみれば、私が東京に出てきた昭和50年当時の一般的な学生の住環境は現在とは比較にならない位お粗末なものでしたし、私達の一世代前の先輩たちはもっと過酷な環境だったわけです。

有名な漫画家である藤子不二雄さんコンビは二人で上京した際、遠縁の家に間借りしたそうですが、居室は2畳一間しかなく、寝るときは二人で机を片付けて寝たそうです。

だからと言って、彼らに狭い居住空間に甘んじろと言っているわけではないのですが、仕事や学校への通学に便利な場所で住まいに関する費用を抑えるにはその点はある程度我慢が必要なのかもしれません。

 

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