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2018.10.29

収益資産の形成⑯・法規や条令を知り尽くす

効率の良い物件

前回は、葛飾区(綾瀬駅)を起点とした賃貸物件を検証してみましたが、このエリアで最も良い賃料坪単価が見込める単身者用アパート、マンションの検索結果から、月額賃料が5万円~6万円前後の物件が所謂「売れ筋」であることが分かりました。

駅から徒歩10分以内(できれば7分以内)に立地して、住環境が良く築年数が新しいという条件であれば上記の賃料で高い入居率を確保できそうです。

ここで注意しなければならないことは、葛飾区の条例によれば1棟の総戸数15戸以上、または3階建て以上の建物の場合、1戸あたりの平米数が25㎡以上にしなければならないという点です。(1棟の戸数が14以下であっても、一連の土地に複数の建物を建てる場合は同様の制限を受けます。)

ということは、1棟の総戸数が14戸以内の建物が賃料坪単価という観点で考えれば効率が良いということになります。

例えば建築基準法の定めるところに従い、容積率や日影斜線を守って200㎡の2階建ての建物を建築すると仮定すると、1戸の面積が25㎡だと8戸、20㎡の場合は10戸できます。

1戸16㎡にすれば12戸です。。

各プランの賃料設定を坪単価1万円と考えた場合各室の賃料は下記のとおりになります。

25㎡の部屋 75,625円

20㎡の部屋 60,050円

16㎡の部屋 48,400円

現在の所得が二極分化している情勢においては1室の賃料総額をなるべく低く抑えることが得策と考えられますので、上記いずれのプランも可能な土地であると仮定すれば、16㎡を12戸造ることが最も得策ということになります。(但し、16㎡の部屋に必要な設備を効率よく配置できるかという問題はありますが)

逆に、上記のプランができる土地はどのようなものかということを考えてみると、まず建蔽率・容積率がそれぞれ50%・100%と仮定すると、木造2階建ての場合、1階・2階とも100㎡になりますので、200㎡の土地が必要ということになります。

建蔽率・容積率がそれぞれ60%・200%の場合は、約167㎡の土地が必要になります。(但し、角地であれば建蔽率が70%に緩和されますので約140㎡あればOKです。但し、斜線など他の条件も満たす必要はあります。)

木造2階建の建築費用の坪単価を75万円程度(外構工事やライフラインなどの諸経費も込)と考えると200㎡の建物の建築費総額は4500万円~5000万円程度は見ておく必要があります。

賃料坪単価1万円と想定した場合、200㎡の年間想定賃料総額は720万円になりますので、土地の購入額と建物建築費用の総額を合計したフローは下記の通りです。

土地購入金額    建物建築費用    総   額     年間想定利回り

5,000万円   5、000万円   10,000万円    7・20%

5,500万円   5,000万円   10、500万円    6・86%

6,000万円   5,000万円   11,000万円    6・55%

6,500万円   5,000万円   11,500万円    6・26%

7,000万円   5,000万円   12,000万円    6・00%

上記のフローチャートには仲介手数料や登記費用などの付帯経費を含んでいませんから、土地の取得価格自体はもう少し抑えることが理想となりますが、この予算組で駅から徒歩10分以内かつ環境の良い土地を探すとすれば、路地状敷地などが現実的な選択肢になると思います。

しかしながら、上記の計画建物は路地状敷地でも十分に実現可能です。

イーミライ・グループでは、常時効率の良い収益プランを作成できるように社員一同努力を重ねています。

 

 

 

2018.10.26

収益資産の形成⑮・需要を見通した物件

所得の二極分化

以前に述べたとおり、現在の日本は所得の二極分化が顕著になっており年収200万円以下の世帯だけで全体の20%、200万円~300万円の世帯が14%ですから300万円以下の世帯が全体の3分の1いるというこになります。

300万円の年収は月額にすると25万円ですが、25万円の月収の人が賃貸住宅を借りるとすれば、月額賃料は5万円前後の物件、高くても6~7万円程度のところを探すと思います。

特に単身者であれば、1Rまたは1DKなどの間取りを中心に物色すると予想されます。

現在、イーミライ・グループは葛飾区(千代田線・常磐線「綾瀬」駅から10分のアクセス)の土地を開発中ですが、この物件周辺の情報を基に賃貸物件を検索したみたところ、比較的駅に近い(徒歩10分)のワンルームマンション(RC構造地上6階建の3階部分)の25・42㎡が月額賃料79,000円・管理費10,000円という条件で募集されていました。

この物件は、築2年と新しく、バス・トイレがセパレートされており、オートロック、エレベーター付、床はフローリング、シューズボックス、室内洗濯機置き場、独立洗面台、脱衣室、温水洗浄便座、システムキチン、モニター付きインターホン、エアコンなどまさしく「フル装備」の物件です。

「綾瀬」駅は大手町まで地下鉄千代田線で8駅と大変アクセスが良く、しかも駅から4分で近くにスーパーなど生活に必要な施設は殆ど揃っており、居住条件は申し分ないと言えますが、管理費と併せて月額89,000円の賃料は相当な負担になります。

この物件を仮に「A物件」と呼びます。

同じ「綾瀬」駅徒歩6分の物件ですが、築年数は1年と新しいアパート(木造2階建の1階)で賃料61,000円(管理費5,000円)という物件があります。

専有面積は18・23㎡でかなり狭くなりますが、オートロック、エアコン、室内洗濯置き場、クローゼット、冷蔵庫、IHコンロ、浴室乾燥機、温水便座洗浄機など設備はかなり整っています。

この物件の月額のコストは66,000円ですから、この程度なら年収300万円あればなんとかなりそうです。

この物件を仮に「綾瀬」駅徒歩「B物件」と呼びます。

さらに検索すると、「綾瀬」駅徒歩12分で月額賃料31,000円の新築のシェアハウス(木造2階建)がありました。

専有面積は居室部分が約7㎡で狭いのですがトイレやシャワールーム、キッチン、洗濯機、冷蔵庫などは共用となっています。

また、ベッド、机、椅子など生活に最低限必要な家具は付いています。

管理費は15,000円掛かりますが電気・ガス・水道・WI-FIの使用料が全て含まれますので実質的な管理費は5,000程度と考えて良いと思います。

つまり月額の賃料コストとしては4万円以下になります。

この物件を仮に「C物件」と呼びます。

実は、「A物件」は建築基準法などの法規の他に葛飾区の条令(1棟の総戸数が15戸以上の共同住宅を建築する場合、1戸の面積を25㎡以上にしなければならない。)を遵守して建築された物件です。

「B物件」は1棟の総戸数が14戸以下、かつ全体の床面積が300㎡以下の建物で1戸当たりの占有面積の制限を受けない物件です。

「C物件」はシェアハウス形式の物件ですが、基本的には「共同住宅」のカテゴリーに入らない「居宅」で建築確認が取れる建物と判断されます。

実際に稼働が見込める賃貸物件

比較を容易にするため、A物件、B物件、C物件とも新築あるいは新築に近い築年数のものを選びましたが、大まかに言うと「綾瀬」駅周辺の徒歩圏内の単身者用賃貸物件はA物件が8万円前後、B物件が6万円前後、C物件が4万円前後(管理費を考慮した金額)になります。

築年数10年以上の物件は上記の10%ほど賃料が安くなり、20年近く経過している物件は20%ほど安くなると考えても良いでしょう。

これは私の感覚でもう少しデータを検証する必要があると思うのですが、こと「綾瀬」駅周辺の物件に限って言うと、A物件の需要は全体の10%前後で残りの90%位は賃料総額が6万円以下の物件ではないかという気がします。

このエリアにおいては、多くのユーザーは賃料5万円前後の予算で物件を探すことが予想され、また築年数や駅からのアクセス、専有面積などの点をある程度妥協すればそのくらいの予算で物件を見つけることができるはずです。

ということは、物件を供給する側(新築する場合)の立場で考えると

1、1室の賃料が6万円程度で抑えられる物件

2、駅から徒歩10分以内のアクセス

3、スーパーなどの設備が近いなど住環境が良い

という条件に収まり、尚且つ利回りが期待できる物件を目指すべきです。

 

 

 

 

2018.10.25

収益資産の形成⑭・新たなる需要

賃貸の空き室状況

このブログで何度か取り上げている外国人の労働力の受け入れの問題ですが、いよいよ今年の秋の臨時国会から門戸開放に向けた取り組みが開始されるようです。

どのような形で外国人労働者を受け入れていくかは今後の課題だと思いますが、どのような形になっても先ずは彼らの住まいを確保することが問題となります。

現在、民間の賃貸物件の状況ですが、JR中央線の各駅のアパート、マンションの空室(募集中の物件)のデータを見ると、吉祥寺駅から徒歩10分以内の物件に限定しても空室が416件あります。

三鷹駅周辺で同じ条件で見ると500件以上、武蔵境駅は228件、東小金井駅は345件です。

八王子駅はどうかというと10分以内で500件を超え、8分以内に限定してようやく500件以内(458件)になります。

JR中央線に関して、逆に都心の方に目を向けて検索したみると、西荻窪駅、荻窪駅、阿佐ヶ谷駅はどの駅についても徒歩10分以内の物件については空き室が500件を超え、8分以内の空き室募集件数は西荻窪駅が446件、荻窪駅が476件、阿佐ヶ谷駅が477件となります。(データはいずれも平成30年10月23日のもの)

外国人の受け入れ状況

このように、賃貸物件はどのエリアにおいても常に多数の空きがある状況ですが、外国人の入居に関しては頑なに拒否するオーナーさんも多くいます。

確かに言葉の壁や生活習慣、文化の違いなどについて大半のオーナーの方は不安を抱いていると思います。

特に賃料の滞納が生じた場合や住民同士のトラブルが発生した場合の対処法などに関しては貸す側の不安は大きいのが当然です。

既に一般のアパート・マンションでも外国人を入居させている例も少しずつ増えているのが現状ですが、中には外国人専用の賃貸物件も現れています。

その多くはシェアハウス形式の物件で、既存の建物を改装したものが多いようです。

外国人向けのシェアハウスは1戸の居室に複数の入居者を入れることを想定したものが多いようで、一人あたりの賃料は安い(3万円以下が大半のようです。)設定ながら、全体の利回りはかなり高利回りなります。

ある投資家の方に聞いた話ですが、古いビルを改造して多くの居室を造りシェアハウスにした物件があり、全体で200人の入居者が入ることが出来るそうですが、入居開始してすぐに満室になったそうです。

この物件の場合、1室の入居者は4人が標準らしいのですが(4人入居の場合の一人当たりの賃料は3万円ということです。)それでもすぐに満室になってしまうということは、外国人にとって日本に住まいを確保することの困難さが伺えます。

一人3万円×4人=12万円の賃料を払えば、一般のアパート・マンションでもそれなりの物件を借りることができるはずですが、外国人にとって日本で具体的な物件を探すことは多くの障害があることは間違いありません。

外国人向けの情報サイトなどの入居サービス

前述した大規模なシェアハウスは主としてSNSなどの情報によって入居者を募集しているようですが、来日する前に入居申し込みをすることができる点がメリットで、大きな成果をあげているということです。

そこで、私が今考えていることは、来日する外国人が本国にいる間に入居先を物色できる情報サービスをつくれないかということです。

入居先物件の地図などアクセスに関する情報、間取り図、建物図面、設備などの情報、賃料や管理費などの情報をより具体的に検索できる情報サービスが切実に求められているのではないかと思います。

また、外国人入居者についてオーナーさんと入居者の間に立って管理や入居条件の遵守に関する問題を解決できるシステムを私達宅建業者が早急に作らなければなりません。

基本的には、サブリースシステムにより各オーナーさんから空き室を一括借りして外国人入居者に貸す方法を考えています。

外国人に日本の「住まい」に関する適切な情報を提供することで日本に滞在する間の計画づくりの一助になると同時に、オーナーさんにとっても安心して賃料収入を得ることができる結果に結びつけば良いと思います。

 

 

 

 

 

2018.10.22

収益資産の形成⑬シェアハウスのメリットと難点

feature_img_01img_main_01downloadZEHの建築技術を生かすことも考えられる

シェアハウス建築のメリット

「シェアハウス」と一口に言っても、建物自体には色々な形態があります。

「シェアハウス」と呼ばれる物件が目立つようになってきたのは5~6年位前からですが、当初は初めからシェアハウスとして設計された建物ではなく、既存の中古戸建やビルの一部または全部等を改築して複数の賃借人に貸せるようにしたものが大半でした。

その後、シェアハウスとして専用に設計された新築物件が供給されるようになりましたが、今後どの程度需要が伸びるかについては様々な見方があると思います。

しかし、シェアハウスの建物設計上の利点は多くあります。

先ず、現在のところシェアハウスに関しては設計上特段の制限が殆ど無いということです。(勿論、建築基準法、都市計画法などの法規は遵守する必要があります。)

例えば、「共同住宅」を建築する場合は、基本的に建築基準法上の「道路」に間口6メートル以上接道している必要があります。(一定の要件のもとに例外規定はあります。)

シェアハウスはある程度以上の規模のものを設計する場合は建物の種類としては「寄宿舎」になると思いますが、どのような形態の建物でも「シェアハウス」として使用することは可能です。

一例を挙げると、マンションの最上階がオーナーの住戸となっていた例で、広さが200㎡ほどもあり、賃貸物件としては広すぎるため賃料坪単価が見込めず、物件全体のレントロールが悪くなるという物件がありました。

この元オーナー居住部分をシェアハウスに改築して、複数の賃借人を入居させてレントロールを改善して物件の価格を底上げしたということがありました。

一棟マンションの別な例では、低層階が店舗や事務所として賃貸されていた建物で、これらの店舗・事務所が長期間にわたりテナントが見つからず空きになってしまっている物件について、当該部分をシェアハウスに改造してレントロールを改善した例があります。

また、路地状敷地で共同住宅の建築が困難な土地にシェアハウスを建築して高収益を得るという例もあります。

このように、シェアハウスは汎用性という点で優れており、通常の共同住宅に比較して立地条件などが大幅に緩和されるというメリットがあります。

シェアハウスの難点を克服するノウハウ

シェアハウスは通常のマンション・アパートに比べて維持・管理の点で手間暇がかかり、それなりの管理体制が必須条件であることは前述したとおりですが、建物の基本構造から見た難点は居住者のプライバシーを100%保つことが難しいという点です。

多くのシェアハウスでは、リビング・ダイニング・キッチン・トイレ・シャワールーム・風呂などに関しては共用部分となっており、この部分を使用するについては入居者は元々プライバシーの保持を期待していないはずですが、専用部分である居室については騒音などについての気遣いを余儀なくされると思います。(共用部分を円滑に使用していくには、居住者同士が相互により良い人間関係を保つ努力が必要であることは言うまでも有りませんが、シェアハウスは、居住部分がほぼ完全にセパレートされた通常のアパート・マンションと異なり、日常生活において他人と顔を合わせる機会が多いわけですから、新たな人間関係を構築できるというメリットがあると考えることもできます。)

しかし、シェアハウスの各居室部分の隔壁は建物そのものの構造がRCであっても木造であっても防音や振動という点については満足できるレベルには中々至らないのが現状だと考えられます。

この点を改善するには、隔壁や天井に気密性に優れたウレタン断熱材を使用したり防音ドアや部音サッシを使用するなど新たな試みが必要です。

現在、イーミライ・グループにおいては、メーカーと協力の上で上記の点を克服できる施工技術を研究していますが、特に木造のZEH住宅の施工経験は大いに生かせるのではないかと期待しています。

 

2018.10.19

外国人労働者の受け入れ

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外国人労働者に対する門戸開放は受け入れなければならない状況

このブログでも再々取り上げた問題ですが、我々が係る建設業を始め、介護、飲食、農業、運送などの各分野における深刻な人手不足を解消するためには、外国人の労働力を積極的に受け入れる他ないという話がいよいよ現実味を帯びてきました。

10月12日のニュースによれば、法務省が外国人労働力受け入れのための法整備に乗り出したということで、受け入れる外国人につき、従来の「技能実習生」(最長5年滞在可)に加え「特定技能1号」、「特定技能2号」というカテゴリーを新設し、長期間にわたり日本に滞在できる内容で秋の臨時国会に法案が提出され、早ければ2019年4月に新制度が始まる見込みということです。

既に首都圏にお住まいの方は飲食店やコンビニなどで外国人労働者が多く働いていることを認識されていると思いますが、彼らの多くは「留学生」として来日し、「週28時間以内」という「法的に認められた範囲」でアルバイトなどをしているケースではないかと考えられます。(日本学生支援機構の調査によれば、2017年5月時点で日本で学ぶ外国人留学生の数は26万7000人です。)

勿論彼らの多くは真剣に日本で様々な勉強をするために頑張っているものと思いますが、中には「留学」は隠れ蓑で日本で就労することが目的というケースも多いと聞きます。(ある地方の学校が留学生を募集したところ、応募した中に過去に「実習生」として来日した履歴の者が多数混じっており、入国手続きが出来なかったということがあったそうです。)

また、彼らが就労できる「週28時間以内」という制限に関してもどこまで遵守されているかは定かではありません。

しかし、私はこの点については、むしろ受け入れ側の日本に問題があると思います。

以前から、少子高齢化による深刻な人手不足は誰しもが予測していたことであり、今まで頑なに拒絶していた「単純労働者」の受け入れに関して、法整備を怠り、違法あるいは脱法的な労働力が蔓延るようになってしまったことは、政治家の勇気の無さが一番の原因だと思います。

なぜ、外国人労働力に対する門戸開放について、政治もマスコミも大きく取り上げることなく、また公けの場で議論されることなくここまで来てしまったのでしょうか?(私の勉強不足かもしれませんが、テレビや新聞などでも本件に関する大々的な特集や有識者の意見など殆ど目にしたことがありません。その内に、繁華街の飲食店やコンビニなどの店員など多くの外国人が働いている現場に出くわすことになった訳ですが)

いずれにしても、日本は今後外国人の労働力に頼らざるを得ないという現実を直視した上でいかに彼らと調和して良い関係を築いていくか我々も真剣に考えていく必要があります。

来日する外国人労働者の生活の下支えが必要

今後近い将来に来日する外国人労働者の数は、少なくとも数十万人と言われていますが、日本の少子高齢化社会の現状を鑑みると、現在検討されている介護、農業、建設、宿泊、造船の5業種に加え、外食、運送、コンビニなどの流通、など十数種の業種に関してもなし崩し的に門戸開放をせざるを得ないでしょうから、最終的に必要となる外国人労働者の数はその数倍になると考えなくてはならないと思います。

現在のところ、一部の例外を除き来日する外国人労働者の妻子については日本国内に居住することは認めない方針のようですが、この規定は明らかにおかしい話で、彼らの生活をより安定させるためにも妻子の日本国内居住を認めるべきです。(外国人を受け入れる上で日本人の大半が感じる不安要素の第一番目は「治安が悪くならないか?」という点ですが、家族も受け入れることはこの点については大いにプラス要素になるはずです。)

また、多くの企業は外国人労働者を日本人より安い賃金で雇用することを期待していると思いますが、少なくとも彼らが真面目に働きさえすれば日本で快適な生活を送ることが出来るだけの所得を得られるような基準を設けるべきだと思います。

また、「住」の問題についても官民一体となって一定レベルの住居を確保できる体制を考えるべきです。

言葉の壁などの克服

外国人労働者に日本に根付いてもらい、相互に良い関係を構築していくためにはどのようなことが必要なのでしょうか?

一番肝心なことは、言うまでもなく相互の信頼感の構築ですが、そのような理想的な関係を築くためには色々な壁が存在すると思います。

先ず思い浮かぶことは「言葉の壁」です。

以前、私達が運営していたシェアハウスにはベトナムからの留学生の方が入居されていましたが、その方は私の知り合いでベトナムから来日する留学生・実習生などの世話をするNPO法人の代表をされている方の紹介で入居されました。

入居当初は、生活習慣の違いから些細なトラブルがありましたが、何度かそのNPO法人を通じて意思の疎通を図るうちに相互理解を進めることができて、その後はその方が最も模範的な入居者となりました。

また、僅かの間に日本語が上達して、1年足らずでNPO法人の手を煩わせることなくコミュニケーションを図ることができるようになりました。

外国人を受け入れる側の考え方

このように、「言葉の壁」は相互の努力により克服できるものではないかと思うのですが、それよりも肝心、かつ根本的な問題は、外国人労働者を受け入れる私達の心構えではないかと思います。

例えば介護の業界では、ベッドは空いていてもヘルパーや看護師などの人材の不足により入居者を受け入れることができないという現象が起きておりこの先は更に深刻になると予想されています。

特に、首都圏においては将来子供の世話にならず、介護付きの老人ホームなどに入居しようと考えている方は非常に多い筈です。

飲食業界においては、24時間営業が人手不足によりできなくなった店舗が多く出現しており、営業形態そのものの変更を余儀なくされている例もあります。(コンビニも同様の問題に対してかろうじて耐えている状況です。)

宅配便のドライバー不足とそれに伴う長時間労働の問題、建設現場における人工不足の問題などどの業界においても人手不足は深刻です。

このような事態を招いたことは、私達日本国民全体の認識不足と将来の予見能力不足が原因であると大いに反省しなければならないと思います。

つまり、私達は外国からの労働力に頼らなければならない立場であり、極論すると自らが自分の親の老後の面倒さえ満足に見ることが出来ないような社会にしてしまったと認識しなけれてばなりません。(極端な例かもしれませんが、夫婦二人とも一人っ子だとすると、二人で4人を世話になければならなくなるわけです。勿論子供の数が少ない、または子供をつくらないこと自体に善悪や自己責任は一切ありませんが、少子化に対する対策を社会全体が真剣に考え対処しようとする努力を怠っていたとすればその点は大いに反省するべきです。)

このように、日本の労働人口の減少という事態を招いた原因は当然私達日本人自身にあるわけで、就労年齢の引上げ等の対策も焼け石に水である現実を直視する限り、この問題を早急に解決するためには、もはや外国人の労働力に頼る他ないわけです。

そのような観点に立って考えれば、外国人労働者を受け入れる場合、彼らに「来て働いてもらう」,ひいては「気持ちよく仕事をしてもらい日本に根付いていただく」という立場を認識することは当然の話です。

外国人労働者に関して最近耳にする問題点

最近、イーミライ・グループの取引先の施工業者(解体業者)の社長(K社長と記載します。)と外国人労働者の現状について話をする機会がありました。

私が「知り合いにベトナム人実習生を受け入れる補助業務をしているNPO法人をやっている方がいるので、イーミライ・グループで数人受け入れて所有しているマンションなどに住んでもらいながら仕事をしてもらおうと思っているけど」という話をしたところ、K社長のところでは既に何人かのベトナム人実習生を受け入れたことがあるようで、

「彼らは、来日すると仲間の人材ブローカーなどとネットを通じて連絡を取り、今の職場よりより良い条件の職場があるという話につられて、いつのまにか辞めてしまうんですよ。」という話でした。

「今より良い条件の職場」という話は殆ど例外なくウソ話で、より劣悪な環境で働かされ、犯罪行為に走ったりする者もいるということです。

このような事態を招く大きな原因は先ずは相互のコミュニケーション不足にあることは間違いないのですが、来日する外国人の誰しもが抱くであろう不安や疑問に対して適切な助言を行い、相談に乗ってあげられるシステムが大変重要になると思います。

勿論、前述のNPO法人はこの点で大きな役割を果たしているのですが、先ずは我々雇用する側が彼らが満足できる労働条件で、尚且つ、技量の向上や仕事の熟練度に応じてより良い条件が得られる提供することが大事です。

話は元に戻りますが、とにかく基本は「外国人労働者は自分達日本人のために、遠い祖国から来てくれるのだ」という考え方を持つことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018.10.16

収益資産の形成⑫

シェアハウスは?

このブログを書いているのは、平成30年10月11日ですが、数カ月以前にシェアハウスに対するスルガ銀行の不正な融資の問題で、同行から融資を受けた多くのオーナーが借入金の返済が滞る結果となり、社会問題化するということがありました。

その顛末を見た多くの方がシェアハウスという形態そのものに不信感を抱かれたと思います。

しかし、このブログでも以前に述べた通り、シェアハウスという形態自体に何ら問題があるわけではなく、むしろその運営方法や運営に携わる人材の問題の方が重要であることを理解する必要があります。

実はシェアハウスは昔からあった

私が東京に出てきたのは昭和50年で今から40年以上前の話ですが、最初に住まいとしたのは文京区の木造2階建て、全部で20室の古いアパートでした。

居室部分は4畳半の和室で、今で言う「専有部分」は8㎡ほどです。

建物の入り口は共用の玄関で、台所、トイレなども共用、風呂は無しというものでしたが、当時の学生用のアパートとしては珍しいものではありませんでした。(大学の同級生や先輩の多くがこのようなアパートに住んでおり、風呂などの設備が整ったアパート、マンションに住んでいるのは一部の富裕な家庭の子弟のみでした。)

家賃は月額12000円だったと記憶しています。

このアパートに入居して間もなく、隣室の方(別の大学の4年生の方でした。)と話をさせていただくようになり、その後、1階に住んでいる10人ほどの方の内半分くらいの方と親しくしていただくようになりました。

社会人の方も半分くらいいて、自分が最も歳が下だったので食事をごちそうになったり色々と皆さんにお世話になった記憶があります。

このアパートは今思えば、現在のシェアハウスと殆ど変わりがないわけで、異なる点は共用のリビングルームや浴室がないということくらいです。

つまり、この頃の単身者の多くは、現在のシェアハウスに似た形態の賃貸建物に居住していたということが言えます。

その後、社会が豊かになるにつれてそのような形態のアパートは段々少なくなっていき、学生などの単身者用のアパート、マンションの設備はバス、トイレ、風呂などが必須のものになっていきました。

平成元年前後のバブル期には、単身者用のアパート、マンションは専有面積が比較的小さい(13㎡~18㎡ほど)ものが主流になりましたが、何よりも各室のプライベートが保てることが条件になっていったことは間違いありません。

逆の言い方をすると、プライベート重視のあまり住民同士は隣室にどのような人が住んでいるのかさえ分からない(分かろうとしない)という風潮が顕著になっていったように思われます。

その後、市、区などの各行政による単身者用マンションに対する規制(最も大きな制限は各戸の最小面積に対する制限で、現在は多くの市、区において一定以上の規模の建物に関しては1戸の専有面積が過小なものは建築できなくなっています。)なども厳しくなり、単身者用のマンション、アパートは25㎡以上のものがスタンダードになっていきました。

近年の所得の二極分化現象

ここ10年ほど以前からよく言われていることですが、現在の大都市圏では所得の二極分化が進んでおり、平成27年の統計によれば、年収200万円以下の世帯が全体の20%、200万~300万の世帯が14%、300万円~400万円の世帯が13・1%と言われています。(年収100万円以下の世帯が6・4%もいます。)

極端な例では、住宅難民と言われる一定の住居を持たずネットカフェなどを転々とするような人達も多くいるという報道を目にした方もいらっしゃると思います。

このような人達の多くは定職を持たず、所謂フリーターとして生活しているため、賃貸住宅の入居審査に通りにくいというケースが多く、また入居の初期費用が調達できないという場合も多いと言われます。

通勤に1時間半以上係るような都心から遠く離れたエリアや駅からバス便などの不便な立地の物件は賃料も比較的安く、入居の初期費用も負担が少ない場合が多いのですが、そもそも遠いことにより交通費も掛かりますし、各部屋がそれぞれキッチン、バス、洗面、トイレなどの設備を完備している場合は賃料がいかに安くても、光熱費や消耗品が各個の負担になりますので、居住に関するランニングコストを極端に抑えることは不可能です。

その点、シェアハウスは共用部分のコストが抑えられ、居室に関しても私が学生の頃住んでいたアパートと変わらない広さで済みますので1棟の建物に通常のアパート、マンションの2倍近い部屋数を入れることが出来ます。

このような理由により、シェアハウスは借り手、貸し手の双方にとってメリットがあり、「所得の二極分化」という傾向が続く限り将来需要が伸びる可能性が強いと言えると思います。

現在の不動産市場におけるシェアハウスの賃料相場

それでは以上のような事情を反映して建てられた最新のシェアハウスの賃料相場はどのようになっているでしょうか?

一例ですが、都心まで30分~40分ほどで通勤可能な23区内の新築物件で月額賃料が3万円以下という物件が現実に数多く存在します。

この物件の近隣のアパートの賃料相場は20㎡前後の物件で6万円台、25㎡前後の物件で8万円近いのでシェアハウス形式の物件の賃料は約半分ということになります。

シェアハウス形式の物件の場合、管理費が賃料と別に15000円~20000円位掛かるのが通例ですが、その代わり光熱費や一部の消耗品(トイレットペーパーなど)も無料となる場合が多く、またベッドなどの家具、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品も完備している場合が多いので入居の初期費用は通常のアパート、マンションより比較にならない位安く抑えることができます。

シェアハウス運営の問題点・「箱」を造るだけではシェアハウスは成り立たない。

このブログでもすでに述べていることの繰り返しになりますが、シェアハウスは通常のアパート、マンションと異なり、住民同士が直接顔を合わせる場面が多くなる造りになっていますので、住民同士のトラブルを避けるために最低のルールを遵守してもらう必要があります。

よくあるトラブルとして、騒音、ゴミ出し、電気や水道などの使用などの問題があります。

特に共用部分の使用に関しては、居住者各自に良識を持ってもらうように働きかけることが重要ですが、そのためには少なくとも週に1回以上は管理会社が巡回して是正してもらわなければならない点について、住民とコミュニケーションを取ることが欠かせません。

イーミライ・グループでシェアハウスを管理していた時は、巡回の度にリビングルームに設置したホワイトボードに注意点を書き込む他、住民同士の問題で要望があった場合は、個別に面談して是正点について協力してもらうように話合をするなど、細かな努力を積み重ねました。

また、物件周辺からパート労働力により定期清掃のスタッフを確保し、週2回の清掃(特に共用部分)を行うようにしました。

その結果、住民同士の意識が徐々に向上し、自然にルールが確立されていったようです。

このように、シェアハウス運営には管理スタッフの絶え間ない努力が欠かせないのですが、一定のスケールメリットと人材の確保という問題をどのように調和させるかという点でさらなるノウハウの集積が必要です。

 

 

 

 

 

2018.10.09

収益資産の形成⑪・建物に手を加えるノウハウ

第二平野ビル【楢原町】 (2)大和田【ハイム俵井】 (2)

古い建物のリノベーション

駅に近く環境も良し、尚且つ利回りも良い物件など有り得ないはずですが、建物が古い場合は案外拾い物の物件が見つかることがあります。

実際に取り扱いした事例として、築20年のマンションで、ある大手企業の社員寮として全体の部屋数の半分以上を一括借り上げされていた物件で、その企業が借り上げを停止したため前オーナーが売却することにしたという事情がある物件がありました。

21部屋の内、4部屋を残して後は全て空部屋という状況になったのですが、2DKの間取りを1LDKに変更し、外観も大幅に手直しを加え賃借人を募集したところ、以前より高い賃料で募集したにもかかわらず、ほどなく満室になり、高収益を確保することができました。

これは一例にすぎないのですが、市場にはこのような物件も相当あるはずです。

ある程度築年数が経過している物件を購入する場合気を付けなければならないことは以下の点になります。

耐震強度の問題

昭和56年の建築基準法の改正により、建物の耐震強度に関する設計の基本概念そのものが大幅に見なおされることになりました。

改正前に設計された建物を「旧耐震」、改正後に設計された建物を「新耐震」と呼称しています。

新耐震の建物と今日う耐震の建物では耐震強度が大幅に異なり、その後に起きた阪神淡路大震災などの震災においても全壊、倒壊などを起こした建物の90%以上は旧耐震構造であったと言われています。

耐震強度に問題がある建物であっても、耐震補強工事を施工することによって一定の耐震強度を得ることができますが、そのためには「耐震強度診断」を行う必要があります。

耐震強度診断自体に相当の費用がかかりますし、耐震強度診断を行った結果、有効な耐震補強工事が行えないという診断結果になることもあります。

また、耐震補強工事は多額に費用を要する場合が多く、また、何をもって必要十分な耐震補強工事と言えるかについては、専門家の間においても争いがあるのが現実です。

従って、建物が「新耐震」の基準を守って建てられているかという問題は物件選びの上で重要なバロメーターになります。(もちろん「旧耐震」の建物であっても、条件によっては「買える物件」はあります。)

稼働中の物件

販売資料を見ていると、「現況満室稼働中」とか「1部屋のみ空き」などという景気の良いうたい文句が目につくことが多々あります。

確かに、現況の稼働率が良い物件は収益資産としての条件を多くの点で満たしている可能性が高いと判断することが出来ると思います。

しかし、稼働中の物件で気を付けなければならないことは居住年数が長い賃借人がどれくらいいるかという点です。

例えば10年以上居住している賃借人の場合、風呂、洗面、キッチン、トイレなどの水回り品や給湯器、床材、壁天井のクロスなどが既に交換時期になっている場合が多いと考えられます。

このような賃借人が退室する場合、以前は補修費用の一部または全部を賃借人に請求することが普通でした。

しかし。現在では賃借人に請求できる補修費用の範囲については「明らかに賃借人の責任による場合に限る。」という基準があり、経年の劣化に関しては全てオーナーの負担となります。

私は、この点が一般の方がアパート、マンション等の収益資産を維持していくことを難しいものにしている最大の原因ではないかと思っています。

以前は、少なくとも貸室内のメンテナンス、補修に係る費用については賃借人が負担することが当然といった考え方をオーナーのみならず、私達宅建業者も持っていた時代がありました。

20年位前は敷金は賃料の2カ月分前後が普通で、礼金と称されるオーナーへ支払う意味不明の金員も最低賃料の1カ月分、人気エリアの新築または築浅の物件などは礼金3カ月というものもありました。

余談になりますが、私がこの仕事を始めて5~6年目の話なので平成10年頃の出来事ですが、大学生の息子さんを持つ知り合いの方から相談を受けたことがありました。

その内容は、「息子が住んでいたアパートを退去するので管理する不動産業者に連絡したら、2年足らずしか居住していないのに数十万という高額のリフオーム費用を請求された。」という内容でした。

私が東京に出てきた当時(昭和50年)から、多摩市、八王子市などに多くの大学が移転し、その学生目当てに建築された1Rアパートなどが大学周辺の駅に新たに多く建築されたのですが、これらのアパートを管理する不動産業者の中には悪質なものが多くいて、工事業者と結託して法外な見積書を作成し、退去する賃借人に請求するという話が多くあったようです。(工事代金の一部はオーナーにバックされていた例もあるようです。)

私も一度のみならず数回にわたりそのような相談を受けたことがありますが、このような例は特殊なものとしても、この当時は「賃借人が入れ替わるほどオーナーは儲かる。」と言われていた現在では考えられないような時代で、多くのアパート、マンションオーナーは自らが多額のメンテナンス費用を負担するという意識は低かったのではないかと思います。

また、建物のメンテナンス費用というものは賃料坪単価と密接に関連してくるという事実を多くの方は念頭に置いていないことが益々問題を大きくしていると考えています。

賃料坪単価とメンテナンスの問題ですが、例えば60㎡(約18坪)のファミリー向け3DKのアパートの賃料が9万円だと仮定します。(仮に「A物件」と称します。)

この場合賃料坪単価は5000円です。

一方、30㎡(9坪)の1Rアパートの賃料も同じ9万円だと仮定します。(仮に「B物件と称します。)

この場合の賃料坪単価は10000円です。

上記の両物件は、メンテナンス費用に置いて大きな差異が生じます。

例えば、A物件の壁の前面改修工事(一般的にはクロスの張り替え工事)を行う場合、施工する面積は約2倍になり、工事費用も2倍近くなります。

また、キッチン、洗面、風呂、トイレなどの水回り品もA物件のほうがより大型、高額のものを使用することが一般的ですから、当然入れ替える場合の費用は膨らみます。

さらには、建物そのものの大きさも2倍程度になり、共用部分の定期清掃代や屋根、外壁の補修など外回りの補修費用も当然多く掛かります。

(そもそも、賃料坪単価が一定以上の数字に達しない建物を建築すること自体がナンセンスなのですが、現実には上記のA物件のような賃料坪単価が5000円などという物件は数多く存在します。また、このような物件が市場に出回っていることも事実で、賃料坪単価が低い物件ほど利回りが良くないと合わない話なのですが、いまだにこのような物件は次々に建てられています。この点については別の機会に述べることにします。)

 

 

 

 

 

2018.10.09

収益資産の形成⑩・土地の地形

路地状敷地を生かす

土地の形状は色々あります。

間口(道路に面している面)が広いもの、狭くて奥行きが長いものなど様々ですが、一般的には「成形地」と言われる間口と奥行きのバランスが良い土地が最も坪単価が高くなり、資産価値も大きくなります。

しかし、所謂「旗竿地」、「敷地延長土地」などと言われる「路地状敷地」は、成形地と言われる土地に比べて坪単価が30%~40%くらい安い物件もあります。

このような路地状敷地でも、アパートを建築することは可能で、賃貸ユーザーにとっては敷地の形状はさしたる問題ではありませんので、土地の価格が安い分だけ利回りは期待できるわけです。

勿論、路地状敷地は成形地に比較すると土地自体の資産価値は劣りますが、こと収益資産に関しては、アクセスの悪い成形地よりアクセスのよい路地状敷地を選択することが得策と言えます。

特に、自己資金の割合が少ない方は、何よりも利回りを重視しなければなりませんので、路地状敷地の物件を検討しても良いと思います。

路地状敷地にアパート等を建築する場合は、都市計画法、建築基準法など通常の建築物を建てる場合に遵守しなければならない法律の他に、東京都住宅安全条例や各市町村、区なのが定める条例を遵守する必要があります。

特に、近年ワンルームマンション、アパートなど単身者向けの賃貸住宅を建築する場合は各行政単位による条令、指導要綱による制限が厳しくなっていますので、その点を良く調べる必要があります。

勿論、信頼できる建築業者ならその点についても熟知しているでしょうが、最終的に最も大切な「利回り」を確保できるプランを作成するためには、建築に関する知識のみならず、様々な知識を生かすことが大事なことは言うまでもありません。

 

 

 

 

2018.10.05

収益資産の形成⑨

「駅近」を第一条件とした「買える物件」の選び方

人気エリア、特に駅に近いエリアの土地は相続税評価額と比較して時価が割高になる傾向であることは、前回述べた通りです。

このようなエリアの収益用不動産を購入することは相続税対策効果を考えると大変有効な手段になり得ますが、収益用不動産を購入(あるいは建築する)ことは、1つのプロジェクトですから、プロジェクトとして成り立つ必要があることは言うまでも有りません。

つまり、収支計算が最も大事なわけで、相続税あるいは所得税などの節税対策になるからと言って、収支の計算をおろそかにすることは絶対に避けなければなりません。

しかし、上記のようなエリアの土地(不動産)は当然総体的な価格が高いわけですから、収支(利回り)も低くなることが予想されます。

実際の不動産市場における居住系の収益用不動産(アパート、マンション)に関しては、23区内や三多摩地区の人気エリアなどの物件は年間利回り5%前後の価格で流通しているものが大半です。

この「5%」という利回りは、これまでにも何度か述べた通り、仲介手数料や登記費用、ファイナンス費用などの取得経費を含まない表示になっている場合が大半ですから、実際の利回りは殆どの場合4%以下になります。

以前にローンの支払いに関する簡単なシュミレーションを掲載しましたが、借入1億円、借り入れ利息年率2%、返済期間30年(元利均等払い)の場合の毎月の返済額は約37万円になります。

年間の支払額は37万円×12月=444万円です。

これに固定資産税、都市計画税の支払いを加えると、必ず支払わなければならない費用の総額は借入額の5%はみておかなくてはなりません。

この他に建物のメンテナンス費用が必ず必要となるわけですから、実際に物件を維持していくためには利回り6%以上、できれば7%は確保したいものです。

しかし前述のとおり、それだけの高利回りを約束できる物件は現実の市場ではそう易々とは探せません。

勿論、豊富な自己資金があって、購入価格の一部または全部を自己資金で払える方は市場にある利回り5%前後の優良物件を購入されても何の問題もありません。(「何の問題もない」とは言っても、自己資金を投入する場合は税金面での注意点が多々あるのですが、その点については別の機会に述べることにします。)

しかし、大半のユーザーの方は購入資金の大部分を金融機関からの借り入れによって賄うことを前提にされているでしょうから、その前提で、一定の収入がある方なら多額の自己資金が無くても無理なく「買える物件」を探せる方法について述べます。

物件選びの条件の第一は場所(特に駅からのアクセス)、2番目は環境ですが、この点について極力妥協することなく探すとすれば、何か別の観点で問題を解決する必要があります。

この点については、いくつかの考え方があるのですが、ここでは実際に私達が手掛けている例を元にお話ししていきたいと思います。

次回からは場所、環境について重視した上で、高利回りの物件を探すノウハウについて述べます。

 

 

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