不動産コンサルブログ
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2017.03.25

瑕疵担保責任②

一番肝心なことはコストパフォーマンス

先日、石原元都知事が都議会の百条委員会に呼ばれて答弁をしている様子をテレビで暫く見ていました。

先ず一番不思議に思えることですが、築地市場の豊洲移転という一大プロジェクトの総予算の枠組みは未だにMAXの数字が見えていないということです。

我々も規模は異なりますが、常時プロジェクト案件というものを手掛けており、長い案件の場合3年ほど掛かることがあります。(我々のような一民間企業にとってはとても長い期間です。)

当然、企業ですから営利目的で行うわけで、当初「実行予算」というものを組んで取り組みます。

「総売り上げ」-「実行予算」が企業の収益となるわけで、実行予算が膨らむと企業は成り立たなくなり、倒産ということも有り得ます。

それではどの位の精度で実行予算通りにプロジェクトを完結させる必要があるかと言えば、当初積算した金額の5%増位が限界だと思います。

それ以上実行予算が膨らむとそのプロジェクトはまずは失敗です。(バブル期のような不動産が右肩上がりの時代はべつですが)

それどころか、リーマンショックのようなこと(不動産の価格が急落するなど)が起きると実行予算どおりにプロジェクトを仕上げても結果は大失敗ということも起こり得るわけです。

そもそも実行予算が青天井であれば東京ガスに対する瑕疵担保の免責の問題など何ら関係がない話で、問題は当該プロジェクトの総額の上限をどこに設けるかということです。

青天井の予算?

聞くところによれば、豊洲の建物の坪単価は高級ホテルの坪単価より高いということです。

ということは、建物の建築費用は通常の2倍位掛かっているということになります。

施工業者(大手ゼネコン)が法外な利益を上げたということでしょうか?

そうでなければ、その差額はどこに行ったのか不思議です。

豊洲の当初の総予算は3,000億円台だったと言われていますが、現時点では少なくとも6,600億円以上の予算がつぎ込まれていると報道されています。

また、今回設計・施工の変更の問題(盛り土がなされていなかったという問題)やそれに関連する地下の水質汚染の問題等で費用は更に膨らんでいるわけです。

元々予算が当初の2倍以上膨らんでいるようなプロジェクトで用地取得に関して多少変則な取引(売り主の瑕疵担保責任を概ね免責にしたということ)を行ったことに目くじらを立てること自体がナンセンスと言えると思うのですがいかがでしょうか?

そもそも用地取得の交渉をするにあたって、総額いくらの実行予算を予定していたということが肝心な話で、予算内に収まれば売り主の瑕疵担保責任を免責するしないは問題ではありません。(瑕疵担保責任の部分も実行予算内に想定されていれば何ら問題はないわけです。)

限られた予算の範囲で用地を取得し、建物やその他の施設を建築し、とにかく当該プロジェクトをやり遂げられれば良いわけで、予算自体が青天井なら取引の中身など問題になるわけがありません。

肝心なことはなぜ予算が膨れ上がったか、それは誰の責任か(だれが予算が膨れ上がっていくことを決済したのかという問題)ということを確かめることが先決だと思います。

また、東京ガスから当該土地を取得できなければ本件プロジェクト自体が暗礁に乗り上げ、将来的に莫大な損失を生じることが明白であるというような裏付けがあるとかまたは他の移転候補地を取得するには更に高額の取得費用が掛かるとか、それを都民に納得させるような説明責任を誰かが(それこそ行政の長たる者の役割だと思いますが)果たせれば良いと思うのですが、そのような話も皆目でてきませんし、予算だけが徒に膨らんでいる事実に歯止めが掛かることもなさそうです。

何故、そのようなことがまかり通るのでしょうか?

東京ガスに対する瑕疵担保の免責の結果、土壌汚染処理に使われた費用は約800億円と言われています。

また、東京ガスが負担した金額は78億円と言われていますが、その内容はどうなっているのでしょうか?

実際に延べ何台の車や重機(ダンプカーやユンボなど)がどの位の期間稼働し、どの位の土の分量を入れ替え、どこからどのような替わりの土を運んだのか?

その施工の内容については何ら精査はされていないようですし、報道もされません。

また都庁のどのような部署が予算の編成に従事したのか、見積書はどうなっているのか、具体的な資料を基にどこかで検討しているのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

2017.03.24

人手不足②

宅建業者の使命と役割

賃貸物件のオーナーさん達は外国人、特に所謂発展途上国の人達の入居を嫌がる傾向があることは前回述べたとおりです。

一方で、日本人は旅行で訪れる外国人に対してはとても親切だとよく言われます。

最近は、テレビのニュース等で報道されているように中国や韓国などからの旅行客に対し、不適切な対応をする日本人もいるらしくトラブルも起きているようですが、大多数の外国人旅行客は日本人は親切だという印象を持って頂いているようです。

これは、日本が島国で歴史的にも地理的にも大陸国家と比較して外国人と接する機会が少なく、必要以上に丁寧な対応をしているということも有るかもしれませんが、いずれにしても悪い話ではないと思います。

しかし、賃貸借契約を締結する場合など、外国人と長期間に渡る関係を維持する話になると不安要素の方が先立つ人が多いことも事実のようです。

このような、各オーナーさんの不安要素を取り除き、外国人に対する適切な対応を行えるようにすることは我々宅建業者の使命であるということを再確認する必要があると思います。

我々自身が英語を始めとする外国語の習得の努力をすることも大切だと思いますが、現在のようにインターネットによる情報が発達した時代においては、前回述べたようなNPO法人などの所在を調べることも容易ですし、入居希望者に対する説明を徹底して行うについてそのような各国の言語、事情に精通している方達の力を借りることも考慮する必要があると思います。

既に、所謂「民泊」については有力な仲介情報サイトが数多く存在するようですし、法的整備も進んできているようです。

これからの日本は外国人の若い労働力に頼らざるを得ないことは明白なわけですかから、彼らが安心して居住できる物件をリーズナブルな条件で提供できるようにしていくことは当然の話で、それには官民一体となった協力体制が必須だということは言うまでもありません。

また、諸外国の習慣や生活様式の違いに合わせて物件をリノベーションする必要がある場合など、公的な融資や補助金の制度も創設していく必要があると思います。

いずれにしても、様々なアイデアを試行錯誤しながらやっていくしかないと思いますが、まずはそのような依頼が舞い込んだ時にはKMCグループは手間暇を惜しまず最大限の努力をするつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.03.21

人手不足①

以前から予想されていたことなのに?

最近、宅配便が人手不足により従来のサービス(キメの細かい時間指定配達や不在の場合の再配達など)が維持しがたくなっているというニュースを皆さんご覧になっていると思います。

この問題は昨日今日始まったことではなく、かなり前から根本的な業界の課題としてささやき合われていたことです。

また、飲食業においては24時間営業のファミリーレストランやファーストフ―ドチェーン(牛丼店やハンバーガーショップなど)がやはり人手が確保できないため止む無く24時間営業を休止せざるを得なくなっているという話も再々報道されています。

さらにはコンビニ店においても人手が確保できないため24時間営業に支障をきたす店舗が多数あり、オーナーの負担が大変な問題になっているようです。

コンビニ店の場合、大手フランチャイズ店の場合はATMを設置していることが逆に24時間営業を何としても維持しなければならない大きな足かせになっているということでやめるわけにはいかないというのが現状のようです。

人手不足はどの業界においても深刻で、前にもこのブログで取り上げましたが、介護の業界においても特養老人ホームなどでは空部屋があっても施設側がヘルパーや看護師などの規定の人員を確保できないため入所できないという話をよく聞きます。

我々建設業界においても同様で、特に人手を必要とする解体業者などは人員を確保することは死活問題で、この点に関する苦労話を解体業者と会うたびに聞かされます。

外国人に対する門戸開放は?

このような慢性的な人手不足は日本の少子高齢化により益々深刻になっていくことは火を見るより明らかなことであり、小学生レベルの話なのですが、行政は何ら対応できないでいるのが現状です。

例えば、子供の出生率を上げるために必須の条件である保育園の整備・拡充の問題にしても遅々として進まず、相変わらず待機児童が多くいるのが現実です。

そういえば、保育士も慢性的に不足しています。

一方で、日本ほど外国人労働者の受け入れに消極的な国は珍しく、介護士や看護師にしても外国人に対し資格試験の際に日本人でも読み書きができないような難解な漢字を用いた問題を出すなど露骨な門前払いを行って徒にハードルを高くしていたり、行政がやっていることが理解できません。

建設業界においては外国人の実習生制度が以前の3年から5年に延長されたのですが、一旦帰国してしまうと再来日ができない制度のため、せっかく身に着けた技術を再度日本で生かす道が閉ざされています。

当然実習生には日本で身に着けた技術を母国のために生かしてもらいたいのですが、例えば5年母国で働いたら再度日本に来て仕事をしながらまた新たな技術を身に着けるという道があっても良いのではないかと思います。

他の業界においても、同様のことが言えると思いますし、日本の優れた技術を外国人実習生に学んでもらうと同時に日本の少子高齢化による深刻な労働力不足を彼らに救ってもらうことは大変意味があることだと思います。

当然外国人の労働力を受け入れる側の我々は、色々な事を学んでもらうと同時に我々自体の問題を解決してもらうわけですから、彼らを敬意をもって迎え入れなければなりません。

外国人を受け入れるための住まいの整備

現在の一般的な賃貸用不動産の市場においては、外国人を借主として想定された物件は決して数が多いとは言えません。

リーズナブルな価格帯の物件は特にそうです。

一方で、ご存じの通り日本の少子高齢化は不動産賃貸の市場においても影響は大きく、賃貸用物件の入居率は少しずつジリ貧状態になっており、空物件はどこのエリアでも数多くあります。

当然、入居率のアップを望む各オーナーさんは賃料の値下げやリノベーションによる物件の設備や見た目の充実など様々な手を打つわけですが、最も手っ取り早い入居率の改善策は入居条件の緩和に他なりません。

入居の際の敷金や礼金の額を引き下げたり、それでも効果がない場合はフリーレントの期間を設けたりするのですが、そのような借り手市場であるにもかかわらず、入居の審査の際に入居希望者が外国人であることを告げられると契約を断るオーナーが結構いることも事実です。

理由は外国人に対する不安(賃料の未払いや部屋の使用について)を払拭できないからだと皆さん口を揃えて言われます。

たしかに、私も一部外国人において賃料の不払いを生じ、いくら催告しても支払ってもらえなかったとか、室内をひどく汚されて退出後に多額の補修費が掛かったというような話を耳にしたことがあります。

このような問題が起きてしまう原因は専ら使用する側の方にあると決めつけることが大きな間違いです。

むしろ原因は貸す側(勿論、仲介業務を行う我々宅建業者を含みます。)の説明不足、コミュニケーション不足にあると思わなければならないと思います。

以前、KMCグループで管理・運営していたシェアハウスにはベトナムからの留学生の方が入居していましたが、入居に際してはベトナム人の日本への入国者の支援をされているNPO法人の方が立ち会ってくれて、日本との生活習慣の違いなどについて懇切丁寧に説明してもらいました。

また、貸主側のルールやマナーについても入居者に繰り返し説明して納得してもらいましたので、入居後はトラブルを起こすどころかゴミ出しや共用部分の清掃なども積極的にやっていただき、他の入居者(多くは日本人ですが)の見本になるくらいの入居者でした。

 

 

 

 

 

2017.03.07

イーミライ・ハウジング(株)の会社事務所が移転しました。

以前おしらせしたとおり、イーミライ・ハウジング(株)の会社事務所の移転が無事完了し営業を開始しました。

新事務所はJR八王子駅からも徒歩7分とほど近く、また国道20号線に面していますのでお車でのご来店も便利です。(隣接のコインパーキングがあります。)

スタッフ一同心機一転皆様のお役に立てるよう努力を惜しまない所存です。

これからもイーミライ・ハウジングをよろしくお願いします。

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2017.03.06

瑕疵担保責任

誰のせい?

築地市場の豊洲移転に関して、東京都が東京ガスから市場の移転先として購入したガス工場跡地を取得した際の売買契約の内容が大きな問題になっています。

土壌汚染があることが明らかな土地であるにもかかわらず買主の東京都側が売り主東京ガスの瑕疵担保責任の大部分を事実上免責にした経緯が問われているのですが、我々宅建業者の常識からするととても考えられない内容の取引であるとしか言いようがありません。

一説によると、東京ガス側は通常の瑕疵担保責任を問われるような取引内容になると後日土壌汚染の問題が顕在化した時に金銭的ダメージ以外にも多大な損失を受ける恐れがあったため、そもそも売却については消極的であったという話もあります。

いずれにしても本件土地はかなり以前から土壌汚染があること自体は明白であったわけですし、その点のデメリットを考慮しても尚且つここに市場を移転するという判断がいつ頃、どのような経緯で、誰の判断によって決定されたかという疑問についてはこれからの検証を待つしかないのですが、この原稿を書いている2日前に元東京都知事の石原慎太郎氏の記者会見というものが行われました。

その内容に私を含め多くの方が期待していたと思うのですが、結論から言うと会見の内容はお粗末極まりないもので、がっかりというよりも疲労感を強く覚えたのは私だけではないと思います。

石原さんは土地の購入や市場の移転を決定した際の首長としての責任(政治家が政治判断をする意味は責任の所在をはっきりさせるという意味に他ならないことは言うまでもありません。)は認められたようですが、全体の責任は石原さんだけではなく、議会や担当部署、外部の諮問組織等になるということを述べられていました。

この点についてはこのような人物を長きにわたって東京都の首長として信頼してきた都民の一人として私自身が大変恥ずかしい思いをしました。

責任の所在は首長になることは当然

石原さんは「私は学者ではないから、土壌汚染の内容やこれをどのように改良できるかについては知識がない。」ということを言われていました。

また、「移転については自分が知事になる前から検討されてきたことで、規定の事実であり、移転の決定については議会でも決まったこと。」

「外部の諮問機関でも検討されてきたことであり、自分はその決定に従っただけ。」

ということを繰り返し述べられていました。

しかし、そのような経緯があることは民主主義社会のシステムではわざわざあのような会見を行わずとも明白な事実であり、そのような経緯を踏まえた上で最終結論を導き出すのが首長たる者の役割です。

例えば、私達KMCグループの会社でこのような土地を売買したとします。

売り、買いいずれの取引においても瑕疵担保責任の問題が生じた場合、会社は大なり小なり損害を被る可能性がありますが、そのような時に責任を取らざるを得ないのは各会社の長であることは当然の話であり、各会社単体で責任を取り切れない場合はグループ全体の統括責任者である私が責任を取ることは当然の話です。

これから先はっきりさせてもらいたいこと

いずれにしても、現在は知事職を辞して時間がたっている上に少し記憶があやふやになっているという石原さんに多くを望むことは難しいのかもしれませんが、責任は最終的判断を下した自身にあることを潔く認めた上で以下の点を明白にしていただきたいと思います。

1、 東京ガス側の瑕疵担保責任は80億円足らずで免責となっているが、実際の土壌汚染処理にはその10倍もの費用がつかわれている。この差額を支出する際にはどのような名目で行ったのか?

また、石原氏や議会はこの点を承知していたのか?

2、 上記の費用の支出を行ったにも拘らず、土壌汚染処理は完全な成果を収められることなく、現在も有害物質が検出されている。この点について予測はできなかったのか?

(反対に東京ガスはこのような事態も予測していて瑕疵担保を殆ど負わない取引を望んだのではないか?)

3、 東京ガスとの売買契約の際、直接交渉していた浜渦氏は東京ガス側の腹の内を熟知していて、それでも強硬に取引したのでは? そうであれば、その理由は?

他にも色々と不可解な点が数多くあるのですが、少なくとも上記の点については早期に解明してもらいたいものです。

 

 

 

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